多和田葉子『地球にちりばめられて』宇佐美華
『地球にちりばめられて』 多和田葉子(講談社 2018年) 読み始めてすぐに、あー多和田さんのこと本当に好きなんだ!と思ったくらい。 何がそんなに好きなんだろうか。 日本がすでに沈んでしまった世界。ヨーロッパが舞台で、主 …
『地球にちりばめられて』 多和田葉子(講談社 2018年) 読み始めてすぐに、あー多和田さんのこと本当に好きなんだ!と思ったくらい。 何がそんなに好きなんだろうか。 日本がすでに沈んでしまった世界。ヨーロッパが舞台で、主 …
『韓国文学の中心にあるもの』 斎藤真理子(イースト・プレス 2022年) 知らない空白、 知らされなかった空白、 知ることが許されなかった空白、 知らずに忘れ去られた空白、 を知りたいと思うこと。 私はなんで知らなきゃい …
『ディンマスの子供たち』 ウィリアム・トレヴァー(国書刊行会 2023年) 世界最高の短篇作家とも評されたウィリアム・トレヴァーは、1928年アイルランドで生まれ、2016年に亡くなるまで数多くの小説を書いた。私がトレ …
『編集手本』 松岡正剛著 (EDITHON 2018年) 友人の編集者が「一枚の紙を折りたたむ本」を出した。「おてほん」というシリーズで、その第一弾が松岡正剛さん。帯にも記してあるが「伝説のエディター」であることは多く …
『わたくしのビートルズ 小西康陽のコラム1992-2019』 小西康陽・著(朝日新聞出版 2019年) 星新一はいまも読まれているのだろうか。 2010年に東京・世田谷文学館で開かれた初の回顧展にも行かずに、そんな余 …
『夢のなかの魚屋の地図』 井上荒野・著(集英社 2017年) 1時間以上電車に乗る予定がある、15分以上友達を待つ、天気の良い日に窓の大きなお店でお茶を飲む時のお供が欲しい、あともうちょっと家に帰りたくない。小さな理由 …
『取次屋栄三』 岡本さとる(祥伝社 2010年) 古本屋で馴染みのコーナーを振り返ると、とある背表紙が目に飛び込んだ。時代小説コーナー、いつもはその存在すら忘れていたジャンルの一冊だった。普段なら理性的に手にも取らずにい …
『はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言』 栗原康著(タバブックス 2015年) 数年前、日本酒を作っている友人に連れて行ってもらった場所を思い出す。車を降りると、もうすでに濁りのない透明な空気が満 …
『ヒューモアとしての唯物論』 柄谷行人著 (講談社学術文庫 1999年) 「美味しい食べ物が好き」とか、「美しい自然が好き」とかいう人は少なからずいる、というか、大抵の人はそうした個人の嗜好を誰にとっても自然な当たり前な …
『あなたを選んでくれるもの』 ミランダ・ジュライ著/岸本佐知子訳 (新潮社) 締切をすぎても原稿が書けない時、人はどうするか。飲む、寝る、掃除をする、パソコンに向かう、インターネットをさまよう、Twitterを眺める、エ …