第十九回 答えのないこと

答えのないこと
第十九回 ヴァーチュアス・スパイラル

ユーモアを交えながら人間の陰部に触れ続ける、
心をえぐられる、けれど素晴らしい映画に出会った。
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』

最近、私も自分の心の闇に触れることがあった。
ダークサイドと向き合うより先に外を威嚇していた。
防衛本能からくる、己の恥ずべき醜い姿。

信頼も不信も必ず連鎖する。
ひとつの小さな判断が、
思いもよらない畝りを起こしてゆく。

助けを求めることは、いつから
恥ずかしい行為になったのでしょう。

自分と他人の境界線を、いつから
力強く引くようになったのでしょう。

理想と現実が異なることを、いつから
直視できなくなったのでしょう。

たとえ偽善でも、たとえ欺瞞でも
人間の弱い部分を抱えながらでも
そろそろ人を信じて
生きてみようと思っています。

それはもしかすると、
未来への危機感からくる選択だったとしても。