第六回 答えのないこと

答えのないこと
第六回 再び、生きてゆく

昨年、父が病に倒れた。
予定していた家族旅行はキャンセル。
代わりに長い長い闘病生活が始まった。

すぐに私は手当たり次第、情報を集め、
できる限りのサポートをした。
治療の選択肢を広げた。
そのつもりだった。

しかし実際は、両親との関係が
確執が生まれる寸前までに悪化した。
踏み込みすぎたのだ。
共依存だったのかもしれない。

治療法を選ぶということは、
どう生きるか、決めること。

私のもとに残ったのは、
いくら家族でも
人生の課題を代わることはできない
というシンプルな現実。

私は自分の人生を生きることにした。
元通りに。
いや、元通り以上に
生きることにした。