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越智康貴

“花びら”

名付けられた葉、という詩があります。(花びらというタイトルなのに書き出しから葉の話かよ、という感じですが)。
離れてみれば同じに見える、数えきれない同類の中で、人生を一生懸命に成長していくことを、単純に”名付けられたから”という理由で、考えなければならないとする明快な詩です(勝手な解釈です)。新川和江さんの詩です。

花びらは、雌しべや雄しべを保護したり、葉緑素を持たずに色とりどりとなり、受粉してくれる虫を引き寄せたりします。色だけでなく香りも花びらからしていて、受粉に役立てています。
装飾的であることが、機能であるというのが面白いです。
普段、花、と言われるとこの花びらのこと、その集合体のことを考えると思います。

(現代の)人間のファッションなどは、どうでしょう。

軽い人生相談的なものを受けることがよくあります。あれになりたい、これがやりたい、どうすればいいかなぁ、って。
偉そうなことは言えないけれど、目的と目標が逆になってるっていうか、こういうことがやりたい、できるからこうなりたい、より、単に職業への憧れが強いと、話している段階ではなかなかなれそうにないな、と思います。

写真を撮りたい、写真が好き、だから写真家になりたい、と言った男の子がいて、単純なことなんだけど胸が熱くなったことがありました。

花は合理的です。装飾も機能です。生命のサイクルが短く、でもすごく連続していきます。
合理的だからか、花の美しさみたいなものにも嘘がない感じがします。目の前にはいつも”完成品”がある!と感じます。


見習いたいです。




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