越智康貴
“花を買う”
花を買うときのポイントってなんですか?とよく聞かれます。
ポイント…なんでしょう。かわいいと思ったやつがいいと思います、とだいたい答えてます。
高校生の頃、ギターが弾けるようになりたい!と思って、得意な友人に、どこのメーカーのどんなものを買ったらいいかを相談したら、見た目が好きなやつにしな、と言われました。気に入ったやつだと弾くのが楽しいよ、楽しいから上手くなると教わりました。
あと、長持ちする方がいい、という選び方もありますが、長持ちするかどうかは手間のかけ方次第、みたいなところがあるので(もちろん元々の植物の性質や気温なども大きいですが)、繊細だから長持ちしないかと言えばまた別な気がします。
専門学生の頃、ミナペルホネンの皆川さんの講談で、レースや刺繍の繊細な服より、丈夫で長持ちする服を作ったりしないのですか?という質問をされた皆川さんが、例え繊細なレースの服でも着ている人が大切にしたい長く着たいと思って大事にしたら長持ちしますよ、と答えてました(少し違う話ですが)。
更に上級(?)な質問で、どんなアレンジを飾ったらいいですか?と聞かれます。聞かれますが、自宅ではアレンジは飾らず、ひとつの花瓶に対して一種類の花しか入れません、と答えてます。
色んな種類の花を使ったものを飾ると、雰囲気作り(嫌いです)はできるけど、塊として認識してしまって、どんな花がどのくらい入ってるかわからなくなってしまいます。
花束をもらうときも、一種類だと嬉しいです。花束をもらったな、というより、チューリップの花束をもらった、バラの花束をもらった、という方が素敵だし、飾っていても、チューリップがどんな花で、何日くらいで開いて、何日くらいで萎れてしまうな、というのがちゃんと勉強になります。
あと、誰かの意思で作られたもの、が苦手なので、一種類でザックリと素っ気ないものの方が気持ちがいいです。
一種類だと貧相なイメージ、という人がいるのですが、そう感じるようだったらたくさんの本数にすればいいと思います。
個人的には一輪だけでも華やかだと感じます。
なんとなく伝えたいのは、食卓に一輪のバラがあるだけでもグッと雰囲気が変わるので、そういう瞬間を気軽に楽しんでほしいな、ということです。
花を買うのに慣れてないけど気になってる人は、かわいい、素敵、きれいだな、で気に入ったものを気軽に一輪買って飾るのでいい気がします。
あくまでも自宅用の話ですが。