映画メモ・2020  小西康陽

 ちょうど一年前、東急Bunkamuraのル・シネマで新年早々に行われたオリヴィエ・アサイヤス監督の特集上映が満席で大混雑していたことを、この鑑賞リストをながめながら思い出す。去年の正月、東京に住む人はまだ誰も新型コロナ・ウィルスのことで騒いだりしていなかったはずだ。中国の武漢という都市が新しい疫病で封鎖されている、という報道を知ったのはいつだったか。2月に早稲田松竹でジャ・ジャンクー監督の『帰れない二人』という映画を観たとき、チャオ・タオという女優が演じるヒロインが列車の中で、これから武漢に向かう、と話すのを観て、それ、いま話題の街じゃないか、と思ったが、そのときは物語を追うのに夢中ですぐに忘れてしまった。いや、その前日、ラピュタ阿佐ヶ谷のモーニング・ショーで桑野みゆき主演の『明日をつくる少女』を観に行ったとき、寒いので膝掛けを借りようと上映前にスタッフの女性に声を掛けたら、新型コロナ・ウィルス感染防止のためにブランケットの貸し出しをしていないんです、と説明されたのだ。つまり2月半ばにはすでに世界のルールが変わり始めていたのだ。

 3月の下旬、シネマヴェーラ渋谷で上映された『戦争のない二十日間』という映画を気に入って、特集が終わる前にと、もう一度観に行った日。その映画を観たあと、半蔵門線に乗れば、神保町シアターの最終回の映画を観ることができる、と予定を組んでいたのに、シネマヴェーラのロビーでお目にかかったTさんから、今週から神保町シアターは最終回の上映を休止している、と聞いてそのまま家に帰った日、いよいよ劇場も営業自粛に入るのか、と憂鬱な気持ちにかられたことを思い出す。その3月の終わりには会う人、会う人、みな異口同音に、まだ出歩いて映画なんて観てるの? と笑われたり呆れられたり。ついに91歳の母親から61歳の息子のもとに電話が掛かってきて叱られてしまった。あんた、まだ遊び歩いているの? あんたの身体はあんたひとりだけのものじゃないんだよ。いちばん聞きたくないことをずばり言う親。

 そして劇場が営業を再開した6月。最初はいろいろなことにとまどったけれども、やがて元の木阿弥、ではなくて、以前とほぼ変わらぬペースで名画座に通う毎日が始まったのだが、劇場スタッフの方々の仕事量は以前とは比べ物にならないほど煩雑になったことは言うまでもない。検温、館内の消毒・清掃、換気、入場者への呼び掛け。そういったことのすべてを幕間の短い時間に行わなくてはならないのだから。ラピュタ阿佐ヶ谷や神保町シアターにおける、チケットを入場者自らがもぎる、という新しいシステムについては、なるほど、と納得するだけで、さほどとまどうことはなかったが、ある日、二本立て上映の池袋・新文芸坐で途中外出ができるようになったと知ったときは、おもわず劇場スタッフの人に「それはいつから?」と訊き返してしまった。新文芸坐の途中外出券(外出権)というのは観客にとっては嬉しいサーヴィスではある。さらに営業再開の直後、多くの劇場が販売座席数を約半数に減らしていて、国立映画アーカイブや早稲田松竹といった劇場では現在でもそのような営業形態を継続している。都内の劇場の中ではもっとも長く休業していた早稲田松竹では、ついに完全に座席指定して発券するシステムを導入したし、国立映画アーカイブは座席指定の前売り券のみ、当日飛び込みの鑑賞はできないものとなった。すぐ隣りの座席に人が座っていない、というのは、もちろん観客にとっては快適ではあるけれども、興行として営業している劇場としては、売り上げも半減してしまうわけで嬉しいはずなどないのだ。

 ハリウッドの大作映画がなかなか公開されなくなった、とか、俳優や監督を招いての舞台挨拶やトークショーなど、観客を動員するための企画を中止せざるを得なくなった、とか、とにかく不便、不利益、不測の事態ばかりの一年だったが、日本映画は大ヒット作も生まれたようである。まだ観ていないけれども。それより何より、個人的にいちばん残念だったことのベスト・スリーを挙げるなら、以下の通り。
1. 劇場内の食事ができなくなったこと。もう上映前や二本立て上映の幕間にコンビニで買ったおにぎりや肉まんを食べる楽しみは永遠に失われてしまったのだ。
2. 目黒シネマ、最前列のオットマンの貸し出しサーヴィスが廃止となったこと。まあ、衛生的には仕方のない話かもしれないが。ついでに書いておくと、もう都内のどこの劇場でもブランケットを借りることはできない。オレのように寒がりの映画ファンは膝掛けを持参すべし。
3. 池袋・新文芸坐の名物、「サグーン」の料理が食べられなくなったこと。4月の緊急事態宣言からずっと、新文芸坐向かいのレストラン「サグーン」は休業していたけれど、12月24日に『スモーク』という映画のレイトショー上映を観に行ったときに確認したら、ついに「サグーン」は看板が取り外されていた。新文芸坐のある界隈は「吉野家」も「松屋」も閉店してしまった。食べ物の恨みばかりで失礼。喫煙所がなくなった、という愛煙家の方々の落胆にくらべれば、ごく些細なことかもしれないが。

 人類の歴史に刻まれる年。世界中の誰にとっても不幸な一年。そんな2020年の、個人的な映画鑑賞メモ。

1月

1.アニエスによるヴァルダ @イメージフォーラム
2.ラ・ポワント・クールト @イメージフォーラム
> 正月に観た映画。イメージフォーラムでアニエス・ヴァルダ。『ラ・ポワント・クールト』は音楽がクラリネット二重奏、ときに三重奏。じぶんが誰かの映画音楽を任されたらやりたい、と考えていたアンサンブル。『アニエスによるヴァルダ』は自作を解説した講義の映画化。こういう年寄りにはなるまいぞ。
★3.イルマ・ヴェップ @ル・シネマ
4.死の接吻 @シネマヴェーラ
5.眠りの館 @シネマヴェーラ
6.その女を殺せ @シネマヴェーラ
★7.小さな恋のメロディ @早稲田松竹
8.卒業 @早稲田松竹
> 早稲田松竹で『小さな恋のメロディ』と『卒業』。どちらも音楽を大フィーチャーした、『男と女』以降の映画。『小さな』でビージーズの曲以外のスコアを書いたのはRah Bandのリチャード・ヒュースン。『卒業』でサイモン&ガーファンクル以外の曲を書いたのはデイヴ・グルーシンだったのか。
> 『卒業』でキャサリン・ロスを追いかけてバークレーで過ごすストーカー野郎ダスティン・ホフマン。彼女を張っているカフェの窓から見えるのが「Moe’s Books」という店。行ったこともないのになぜ知っているのか、と思ったら、去年の秋に盛岡ブックナードでトートバッグを買っていた。
9.アイリッシュマン @新文芸坐
10.続・決着 @ラピュタ阿佐ヶ谷
11.明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史 @ラピュタ阿佐ヶ谷
12.昇り龍 鉄火肌 @ラピュタ阿佐ヶ谷
13.静かについて来い @シネマヴェーラ
★14.不審者 @シネマヴェーラ
>ジョゼフ・ロージー『不審者』シネマヴェーラ。バスローブ姿の美女が窓から誰かに覗かれている、と気づいてピシャリとカーテンを下ろす安い演出のタイトル。またB級作かと思ったら。。男が美女にひと目惚れしたところから破滅が始まる、という自分の最も好む展開の映画の中でも、これは最高峰では。
★15.8月の終わり、9月の初め @ル・シネマ
16.生まれながらの悪女 @シネマヴェーラ
17.殺人者 @シネマヴェーラ
★18.ガラスの鍵 @シネマヴェーラ
19.冷たい水 @ル・シネマ
20.パリの恋人たち @ル・シネマ
21.ロマンス祭 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★22.セクシー地帯 @ラピュタ阿佐ヶ谷
23.無頼平野 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★24.緋ぢりめん博徒 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>石井輝男『緋ぢりめん博徒』の素晴らしい女優たち。中村英子。藤浩子。池玲子。松平純子。
★25.赤いグラス @神保町シアター
26.あばれ騎士道 @神保町シアター
★27.骨まで愛して @神保町シアター
★★28.陽のあたる坂道 @神保町シアター
>西河克己『陽のあたる坂道』神保町シアター。朝から渡哲也4本のラスト、期待せずに観た映画。両親をパパママと呼ぶ役柄。似合わな過ぎて冒頭からボロ泣き。あの恵とも子が妹役、紺ブレザーにレジメンタル七三分けの山本圭。桜むつ子の顔芸。石坂洋次郎原作の話で泣くピュアなジジイ。しかし渡は天使。
29.ハイ・シエラ @シネマヴェーラ
★30.夏時間の庭 @ル・シネマ
31.影なき殺人 @シネマヴェーラ
32.天使の顔 @シネマヴェーラ
★33.リチャード・ジュエル @T-joy 品川
34.白鳥 @神保町シアター
35.誰に恋せん @神楽座
36.山河あり @新文芸坐
37.名もなく貧しく美しく @新文芸坐
38.真紅な海が呼んでるぜ @神保町シアター
39.愛のコリーダ @新文芸坐
★40.ラスト・タンゴ・イン・パリ @新文芸坐
41.あなたの命 @神保町シアター
★42.血の婚礼 @新文芸坐
★43.刺青 @シネマヴェーラ
★44.地の果てまで @シネマヴェーラ
★45.フォード VS フェラーリ @T-joy 品川
>『フォードvsフェラーリ』のエンドロールの音楽って、どうして「ポークサラダ・アニー」だったのか。それもジェイムズ・バートンのインスト。もっと言えば、どうしてTHE GOING THINGを使ってくれなかったのかな。「苦い勝利」感も増し増しだったのに。時代考証的にちょっとズレる?
46.太陽の王子 ホルスの大冒険 @ユジク阿佐ヶ谷
47.長靴をはいた猫 @ユジク阿佐ヶ谷
48.パラサイト 半地下の家族 @T-joy 品川
49.愛と死の記録 @神保町シアター
>『愛と死の記録』神保町シアター。昭和四十一年度芸術祭参加。白黒。だが配役やスタッフのクレジットは出ず。丁寧な演出に感心したが、難病ものと判った瞬間から失速。ところがずっと画面に現れなかった女優の登場で大興奮。だが彼女の2度目の登場場面の作為に不快感。これぞジェットコースター映画。
>きのう観た蔵原惟繕『愛と死の記録』、レコードショップの出てくる映画としても重要作。吉永小百合と浜川智子が店員として働きキャッキャと大騒ぎ。もうひとり出てくる店員役の女性も素敵だったが名前は判明せず。なんと試聴OK。レコード買うならこんなお店!十字屋、と言っていた。
50.レディ・ジョーカー @神保町シアター
51.拳銃無宿 脱獄のブルース @神保町シアター
>神保町シアターの渡哲也特集、計10本を鑑賞。渡哲也や宍戸錠も良かったがTVドラマ「プレイガール」に夢中だったので、浜かおる、こと浜川智子の出演作が多くて堪能。『骨まで愛して』『あなたの命』『愛と死の記録』『拳銃無宿 脱獄のブルース』美人ではないけれど最高。ダンサーの役が多かった。
★52.ラストレター @T-joy 品川
★53.肉屋 @新文芸坐

2月

54.わんぱく王子の大蛇退治 @ユジク阿佐ヶ谷
55.少年猿飛佐助 @ユジク阿佐ヶ谷
56.風の又三郎 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★57.白蛇伝 @ユジク阿佐ヶ谷
58.アメリカン・ドリーマー @ユーロスペース
★59.ダンス・ウィズ・ウルヴス @TOHOシネマズ新宿
★60.アルキメデスの大戦 @新文芸坐
★★61.汚れた手をした無実の人々 @新文芸坐
★★62.真夜中の顔 @シネマヴェーラ
>宇野重吉『真夜中の顔』シネマヴェーラ。とんでもない傑作でまだ興奮が冷めない。ずっと演劇的な演出で作られた映画に抱いていた偏見を完全に吹き飛ばされた。名優たちが次々にバーの階段を降りて登場し、退場する。梅野泰靖ファンとしては最高の一本。こういう映画と出会うために名画座に通っている。
63.悪党 @シネマヴェーラ
64.野を駈ける少女 @ラピュタ阿佐ヶ谷
65.鉄輪 @シネマヴェーラ
★★66.真夜中の顔 @シネマヴェーラ
★67.火口のふたり @キネカ大森
★68.甘い秘密 @シネマヴェーラ
★69.からたち日記 @シネマヴェーラ
70.にせ刑事 @新文芸坐
71.座頭市牢破り @新文芸坐
72.東京犯罪地図 @神楽座
★★73.明日をつくる少女 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>井上和男『明日をつくる少女』ラピュタ阿佐ヶ谷。大傑作!先週の『野を駈ける少女』と同じ監督、同じ二人の主演で期待しない、どころかパスするところだった。主演の二人は狂言回し。さまざまなドラマが入り組み、驚きのミュージカル場面も。美術も完璧。脚本に山田洋次。もうひとつの『下町の太陽』。
>それにしても『明日をつくる少女』という映画、舞台は下町のハーモニカ工場。山本豊三、草薙幸二郎、渡辺文雄、毒蝮三太夫、伊藤雄之助、これから出荷する商品のハーモニカをみんなが舐めては吹いて検品する。コロナ対策で膝掛けも貸し出しを停止している劇場で鑑賞するゾクゾク感!
★74.海ッ子山ッ子 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>メモ。きのうラピュタ阿佐ヶ谷で観た『海ッ子山ッ子』林光の音楽が素晴らしかった。多くの短い曲はヴァイオリンがいないのか、というような低めのレンジの小編成の弦楽とハープとか木管。サントラ盤は無いらしいが、この人を最初に使ったのは同じく木村荘十二監督の『森は生きている』『うなぎとり』。
75.つづり方兄妹 @ラピュタ阿佐ヶ谷
76.青の稲妻 @早稲田松竹
★77.帰れない二人 @早稲田松竹
★78.不良番長 一網打尽 @新文芸坐
79.不良番長 突撃一番 @新文芸坐
★80.やくざの墓場 くちなしの花 @新文芸坐
81.やくざ対Gメン 囮 @新文芸坐
82.遊星王子 @新文芸坐
83.遊星王子 恐怖の宇宙船 @新文芸坐
84.性の起源 @シネマヴェーラ
85.恋人 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★86.夜の歌謡シリーズ 命かれても @新文芸坐
87.夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース @新文芸坐
88.無宿人 御子神の丈吉 爪は引き裂いた @ユーロスペース
>きょうは朝から映画4本。その内の3本、阿佐ヶ谷で観た中村登『恋人』、池袋で観た村山新治『夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース』、渋谷で観た池広一夫『無宿人 御子神の丈吉』の3本に南原宏治が出ていた。爽やかなハンサム、老けのチョイ役、そして時代劇の仇役。芸域の広さに驚く。
89.鬼の棲む館 @シネマヴェーラ

3月

90.お姉さんといっしょ @ラピュタ阿佐ヶ谷
★91.扉を叩く子 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>井上芳夫『扉を叩く子』ラピュタ阿佐ヶ谷。全く知らなかったがこれぞ大映!憂鬱な現代人のための娯楽映画。いつも困った顔の野添ひとみの、もしかしたら代表作。そして川崎敬三はファンの期待通り。「子供映画」の特集はあまり楽しめないと思っていたが、こんなのが入ってたとは。超必見(パクリ)!
★92.御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>それにしてもラピュタ阿佐ヶ谷、『扉を叩く子』を観てしまったら、ぜったい同じ井上芳夫監督の『御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判』を続けてみたくなる。絶妙なプログラム配列にノセられました。
★93.リラの門 @新文芸坐
★94.巴里祭 @新文芸坐
>主演のアナベラ、という女優の、どう見ても1933年の人とは思えない、現代的な容姿に衝撃を受けた。
95.我ら山人たち @ユーロスペース
96.山の焚火 @ユーロスペース
★97.心 @シネマヴェーラ
>新藤兼人『心』シネマヴェーラ。武満徹「ホゼートレス」と並んでいちばん好きなテーマ曲を持つ映画をようやく。前園直樹グループの音楽はこの曲の焼き直し。そしてこの映画もまた、漱石の小説の、あるいは市川崑の『こころ』のカヴァー、という感じ。あすなひろし、の漫画の人物のような辻萬長の顔。
★98.女めくら物語 @角川シネマ有楽町
99.慕情の河 @角川シネマ有楽町
★100.赤線地帯 @角川シネマ有楽町
>今後は溝口健二の映画というより成澤昌茂の映画として語られるべき映画。
★101.ルカじいさんと苗木 @シネマヴェーラ
102.嘆くな! @シネマヴェーラ
103.ボルシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険 @シネマヴェーラ
104.早射ち野郎 @新文芸坐
105.小さい逃亡者 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★106.悪の華 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>井上和男『悪の華』ラピュタ阿佐ヶ谷。題名からしてフランス映画?みんな死ぬ登場人物。色調、照明、フィルムの質感。ヴァディム、ロートネル、ド・ブロカ。「出来の悪い」ところまで完璧にコピーした犯罪映画。全編に流れるジャズはミホケイ超え。失敗作と切り捨てるには惜しい一本。芳村真理、最高。
107.筑豊のこどもたち @ラピュタ阿佐ヶ谷
>小泉博扮する先生のセリフ
「駅に人を見送りに行くのは嫌いなんだ」
★108.拳銃残酷物語 @新文芸坐
★109.拳銃は俺のパスポート @新文芸坐
110.炎628 @シネマヴェーラ
★111.女狙撃兵マリュートカ @シネマヴェーラ
>『女狙撃手マリュートカ』シネマヴェーラ。最高に面白かった!もしかして、周知の話なのかもしれないが、大島渚はこの映画を観て「戦メリ」を作った?デイヴィッド・ボウイそっくりの王子さま将校が捕虜として捕らえられる話。そしてどこかに感じられる「新東宝」映画テイスト。メモ。
112.メッセンジャー・ボーイ @シネマヴェーラ
113.わんぱく天使 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★114.おかあさんのばか @ラピュタ阿佐ヶ谷
115.先生のつうしんぼ @ラピュタ阿佐ヶ谷
116.珠はくだけず @角川シネマ有楽町
117.・新婚日記 恥しい夢
  ・新婚日記 嬉しい朝 @角川シネマ有楽町
>田中重雄『新婚日記 恥しい夢』角川シネマ有楽町。新婚夫婦の家に若尾文子の妹・市川和子が大勢の同級生を連れてくる場面で鈴木清順『悲愁物語』を思い出す。というか、『悲愁物語』ってそれほどのトラウマ映画だったかも。
118.新婚七つの楽しみ @角川シネマ有楽町
119.実は熟したり @角川シネマ有楽町
120.田園詩 @シネマヴェーラ
121.恋とのれん @ラピュタ阿佐ヶ谷
★122.探偵事務所23 銭と女に弱い男 @新文芸坐
>映画も悪くなかったけれども、フランク赤木の歌う主題歌が素晴らしかった。レコードになっているのだろうか。
123.メキシコ無宿 @新文芸坐
★124.悪党 @シネマヴェーラ
★125.タシケントはパンの町 @シネマヴェーラ
126.新しい家族 @シネマヴェーラ
★127.戦火を越えて @シネマヴェーラ
★128.戦争のない二十日間 @シネマヴェーラ
>アレクセイ・ゲルマン『戦争のない二十日間』シネマヴェーラ。ライトな島田正吾、もしくは重たい日下武史みたいな主人公とキレイな渡辺美佐子?みたいな女性。羽仁進『充たされた生活』蔵原『夜明けのうた』ヴァルダ『クレオ』など連想するオシャレ映画。として消費してはいけないのか。超必見の大傑作。
★129.秋のマラソン @シネマヴェーラ
★130.ローマに咲いた恋 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>川頭善郎『ローマに咲いた恋』ラピュタ阿佐ヶ谷。とても傑作とは言えないが、自分には響いた。聾唖の鰐淵晴子が早川保の部屋の黒板にチョークで書く文字の美しさ。そこがクライマックスの映画とは。上映後、ロビーでお会いした磯田さんの言葉で気づく。手話、筆談、通訳、字幕。これはそういう映画。
>『ローマに咲いた恋』くっきり二重瞼の桑野みゆきのアンニュイ演技。主演なのに損な役どころ。居間のTVを消して、低い声でオペラの一節を歌う場面。情事の後、ストッキングを履き、ガーターを付ける仕草。でもこの映画があるから『夜の片鱗』があるのか。
>『ローマに咲いた恋』ちょい役ながら絵のモデル役の瞳麗子が素晴らしい。彼女がナイトクラブで踊る場面、なぜか背後に和田孝が映っていた?赤の他人?ただ瞳麗子と早川保の妹役の葵京子は顔が似過ぎ。
>『ローマに咲いた恋』早川保が欧州から帰国して初の個展、ある新聞に出た批評が辛辣。「小器用にまとめたサロン的秀作。今日的魅力はない」それを書いた批評家と早川保が食堂車で出会す場面。SNSで自分のアルバムを貶していたとある音楽家とある場所で会った日のことを思い出す。早川保に好感。
>「この歳になると、死というものにそれほど動揺したりはしません。そのかわり、生きているということがとても尊いことだと思うようになりました」
画家・早川保のパトロン、滝沢修のセリフ。『ローマに咲いた恋』傑作ではないが好き。
131.チャパーエフ @シネマヴェーラ
★132.戦争のない二十日間 @シネマヴェーラ
★133.ふり袖侠艶録 @ラピュタ阿佐ヶ谷
134.殿さま弥次喜多 捕物道中 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★135.浪人八景 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★136.柳生旅ごよみ 女難一刀流 @ラピュタ阿佐ヶ谷
137.結婚三銃士 @神保町シアター
★138.明治一代女 @神保町シアター
★139.御身 @神保町シアター
>島耕二『御身』。この人の名だけで凡作と決めつけていた自分を恥じて土下座したい秀作。これは『総会屋錦城 勝負師とその娘』の叶順子と『女めくら物語』の宇津井健で撮った、『顔』と裏表のモノローグ多用映画。ウィルス感染防止対策として、一席おきにテープを張って使用不可としている劇場で鑑賞。

4月

★140.鏡の中の裸像 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★141.血斗水滸伝 怒涛の対決 @ラピュタ阿佐ヶ谷
142.新選組鬼隊長 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★143.おしどり囃子 @ラピュタ阿佐ヶ谷
144.鞍馬天狗 @ラピュタ阿佐ヶ谷

5月

6月

★★145.ヒッチコックのゆすり @シネマヴェーラ
>アルフレッド・ヒッチコック『ヒッチコックのゆすり』シネマヴェーラ。約2カ月ぶりの名画座。もう以前のように映画館に通い詰めることもないか、と考えてたが、やはりお尻がモゾモゾして劇場へ。コレが面白いのなんの。ヒッチコックは最初からヒッチコック。女性の脚と高い場所と。大英博物館!!!
146.リッチ・アンド・ストレンジ @シネマヴェーラ
147.パラダイン夫人の恋 @シネマヴェーラ
148.三十九夜 @シネマヴェーラ
149.マンクスマン @シネマヴェーラ
★★150.夜霧の恋人たち @新文芸坐
151.大願成就 @神保町シアター
152.人間模様 @神保町シアター
153.快楽の園 @シネマヴェーラ
154.ふしだらな女 @シネマヴェーラ
155.間諜最後の日 @シネマヴェーラ
★156.殺人! @シネマヴェーラ
★157.日曜日が待ち遠しい @新文芸坐
158.終電車 @新文芸坐
159.リング @シネマヴェーラ
160.三島由紀夫 VS 東大全共闘 五十年目の真実 @シネクイント
161.第17番 @シネマヴェーラ
162.軍国酒場 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★163.いろ @ラピュタ阿佐ヶ谷
164.痴漢電車 下着検札 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★165.泣き濡れた春の女よ @ラピュタ阿佐ヶ谷
★166.白い恐怖 @シネマヴェーラ
★167.断崖 @シネマヴェーラ
★168.舞台恐怖症 @シネマヴェーラ
169.農夫の妻 @シネマヴェーラ
170.もののけ姫 @T-joy 品川

7月

171.スキン・ゲーム @シネマヴェーラ
172.シャンパーニュ @シネマヴェーラ
173.サボタージュ @シネマヴェーラ
★174.菊池エリ巨乳 @ラピュタ阿佐ヶ谷
175.ドミノ 復讐の咆哮 @新文芸坐
176.PMC ザ・バンカー @新文芸坐
177.新選組 @新文芸坐
★178.燃えよ剣 @新文芸坐
179.壮烈新選組 幕末の動乱 @新文芸坐
★180.新選組血風録 近藤勇 @新文芸坐
★181.祇園の暗殺者 @新文芸坐
182.風雲三條河原 @新文芸坐
183.沖田総司 @新文芸坐
★184.狼よ落日を斬れ 風雲篇 激情篇 怒涛篇 @新文芸坐
★185.六人の暗殺者 @新文芸坐
186.桜田門 @新文芸坐
187.大東京誕生 大江戸の鐘 風雲篇・開花篇 @新文芸坐
★188.ジュブナイル @神保町シアター 
★189.暗殺 @新文芸坐 
>篠田正浩『暗殺』新文芸坐。久々の鑑賞。群雄割拠する話ばかりの幕末映画特集はそれなりに楽しかったが、やはりこの作品の丹波哲郎扮する清河八郎のような強烈な人物が牽引する物語は魅力的。武満徹の音楽が凄い。鐘、銅羅、鈴、鉄板、太鼓、陶器?何かを打つ音・叩く音とその長い余韻のみ。くおーん。
>上の鑑賞直後の感想ツイートを読んだYさんより、この作品の伴奏はすべてプリペアド・ピアノによる音響だとご指摘いただき、ますます驚く。くおーん。
190.竜馬暗殺 @新文芸坐
191.竜馬を斬った男 @新文芸坐
192.波 @国立映画アーカイブ
★193.イップ・マン 完結 @新宿武蔵野館
194.一度も撃ってません @新宿武蔵野館
195.ふり袖侠艶録 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★196.近松物語 @神保町シアター
197.命美わし @シネマヴェーラ
★198.炎と女 @シネマヴェーラ
★199.今日もまたかくてありなん @シネマヴェーラ
>木下恵介『今日もまたかくてありなん』ヴェーラ。過去に観た映画の記憶が乱反射する。渋谷実『バナナ』『二人だけの砦』井上和男『悪の華』ジョン・フリン『ローリング・サンダー』そして『グラントリノ』。それ以上にTBS・人間の歌シリーズ「それぞれの秋」の久我美子のキャラの原型を見た。傑作!
200.残菊物語 @神保町シアター
★201.侍ニッポン @国立映画アーカイブ
202.最後の億万長者 @シネマヴェーラ
★★203.いも侍・蟹右ヱ門 @国立映画アーカイブ
>松野宏軌『いも侍・蟹ヱ衛門』NFAJ。以前観た『道場破り』の楽しさを期待してチケットを取って大当たり!痛快娯楽編ながら、明朗時代劇と呼ぶには『用心棒』『三匹の侍』影響下の残酷描写も。『やぶにらみニッポン』より数ヶ月早い山本直純の琴を使った和風ジャズ。どこかで長門勇祭りを熱烈希望!
204.忍法破り 必殺 @国立映画アーカイブ
205.鬼戦車T34 @シネマヴェーラ 
206.サハラ戦車隊 @シネマヴェーラ 
207.自由への闘い @シネマヴェーラ 
208.私が結婚した男 @シネマヴェーラ 
209.男の嵐 @国立映画アーカイブ

8月

210.ヒトラーの狂人 @シネマヴェーラ
★211.潜水艦轟沈す @シネマヴェーラ
>マイケル・パウエル『潜水艦轟沈す』シネマヴェーラ 。海洋ものかと思ったら、そうではなかった。ローレンス・オリヴィエ、レスリー・ハワードなど一枚看板の名優は絡むことなく終わるオムニバス映画のような、ありそうでない感じの、とにかくユニークな作りの作品だった。これは拾い物!
★212. 新東京行進曲 @国立映画アーカイブ
213.侍ニッポン 新納鶴千代 @ラピュタ阿佐ヶ谷
214.姿なき軍隊 @シネマヴェーラ 
★215.ダーク・ストレンジャー @シネマヴェーラ 
>フランク・ラウンダー『ダーク・ストレンジャー』シネマヴェーラ 。ヒッチコックが好きならぜったい好きでしょ、と思ったら解説を読んで納得。笑えたりハズしたり、これが英国の笑いか。いまやヴェーラはこういう映画が世界一似合う劇場。こんなに面白いのに体内時計が正確に作動し寝落ちの奈落へ。
>シネマヴェーラには、邦画専門のシネマヴェーラと、洋画専門のシネマベラヴェーラとか作ってほしい。
216.渡洋爆撃隊 @シネマヴェーラ 
★217.ベルリン特急 @シネマヴェーラ
218.ミュンヘンへの夜行列車 @シネマヴェーラ
219.戦慄のスパイ網 @シネマヴェーラ
220.血と砂 @ラピュタ阿佐ヶ谷
221.鳳城の花嫁 @ラピュタ阿佐ヶ谷
222.若さま侍捕物帖 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★223.恋山彦 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>以前、観ている映画。なのに、すっかりきれいさっぱり忘れていた。伊藤雄之助の家で二役の大川橋蔵が対面する場面でようやく思い出し、またしても思い切り泣かされてしまった。十八番の阿波踊りで討ち入り。この先、何度観ても同じように泣かされてしまうのか。
224.ひばりの森の石松 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★225.第七の十字架 @シネマヴェーラ
★226.恐怖への旅 @シネマヴェーラ
★227.にっぽん昆虫記 @新文芸坐
228.ラインの監視 @シネマヴェーラ
229.丹下左膳 @ラピュタ阿佐ヶ谷
230.水戸黄門 @ラピュタ阿佐ヶ谷
231.スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜 @国立フィルムアーカイブ
232.野ゆき山ゆき海べゆき @神保町シアター
233.キッドナップブルース @神保町シアター
★234.元祖大四畳半大物語 @神保町シアター
★235.熱砂の秘密 @シネマヴェーラ
★236.外套と短剣 @シネマヴェーラ
237.暁前の決断 @シネマヴェーラ
★238.山河遥かなり @シネマヴェーラ
★239.夜の片鱗 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>中村登『夜の片鱗』ラピュタ阿佐ヶ谷。7年ぶり。あのときのニュープリント。題字は野口久光だった。テーマ音楽、主演女優の名前のところで歌い出すバリトンサックスの4小節。実家に帰った女を呼び戻しにくる組員が東京ぼんた。美しい広村芳子の出演場面は3シーンだが、印象に残る演出。声も独特。
240.右門捕物帖 片目の狼 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★241.橋蔵の若様やくざ @ラピュタ阿佐ヶ谷
242.新宿そだち @国立映画アーカイブ
243.ミスター・ミセス・ミス・ロンリー @神保町シアター
244.伊達騒動 風雲六十二万石 @ラピュタ阿佐ヶ谷
245.八荒流騎隊 @ラピュタ阿佐ヶ谷
246.新吾二十番勝負 @ラピュタ阿佐ヶ谷
247.唐獅子株式会社 @神保町シアター
248.そよかぜ @国立映画アーカイブ
249.はたちの青春 @国立映画アーカイブ
★250.暴風圏 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>渡辺邦男『暴風圏』ラピュタ阿佐ヶ谷。久しぶりの大映作品。叶順子菅原謙二高松英郎田宮二郎小野道子村田知栄子水戸光子金田一敦子見明凡太郎中条静夫花布辰夫小原利之早川雄三杉田康夏木章丸山修守田学大川修が勢揃い。次第に大型台風が接近する、そのスリルで引っ張る後半。『恐怖の報酬』パートも。
251.旗本退屈男 謎の南蛮太鼓 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★252.女医の診察室 @神保町シアター
>吉村廉『女医の診察室』神保町シアター。期待せずに観たが、これは丸山誠治『慕情の人』に匹敵する「オレの好みの原節子」映画だった。運命に病魔に恋愛に嫉妬に真綿で首を絞められ命削る原節子。加えて濃厚な新東宝テイスト。吉村廉と言えば『牛』の監督!あの牧師の役の俳優の名前は何だっけ。傑作。
253.めし @神保町シアター

9月

★254.パリのランデブー @新文芸坐
255.レネットとミラベル 四つの冒険 @新文芸坐
256.巨人傳 @神保町シアター
257.美しき結婚 @新文芸坐
258.飛行士の妻 @新文芸坐
★259.暴れん坊兄弟 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★260.家光と彦左と一心太助 @ラピュタ阿佐ヶ谷
261.新吾二十番勝負 第二部 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★262.江戸の悪太郎 @ラピュタ阿佐ヶ谷
263.戦争と平和 @シネマヴェーラ 
★264.都会の女 @シネマヴェーラ 
★265.裁かるるジャンヌ @シネマヴェーラ
266.女生きてます 盛り場渡り鳥 @国立映画アーカイブ
>森崎東『女生きてます 盛り場渡り鳥』国立映画アーカイブ。子供の頃、雨で野球中継が無いとよく放映されてた森崎東の映画。ここ数年、いろんな作品を観てこんなに素晴らしかったのか、と再認識したが、正直若いときはこういうのだけは苦手と思っていた。そんな頃の感覚が戻った一作。でも森繁は最高。
267.黒の試走車 @新文芸坐
★268.黒の超特急 @新文芸坐
★269.バグダッドの盗賊 @シネマヴェーラ
270.死滅の谷 @シネマヴェーラ
★★271.最後の人 @シネマヴェーラ
★272.ゆがんだ月 @新文芸坐
★273.人間狩り @新文芸坐
★★274.サンライズ @シネマヴェーラ
275.思ひ出 @シネマヴェーラ
★★276.ふんどし医者 @神保町シアター
>稲垣浩『ふんどし医者』神保町シアター。最高だった、という他にまだ感想書けず。東映も松竹も日活も大映も新東宝も素晴らしいけれど、やっぱり東宝の映画って素晴らしい。森繁の巧さ。ワンシーンだけ登場の志村喬。亭主のために大博打を打つ原節子。全てのキャストが最高。そして疫病についての映画。
277.驟雨 @神保町シアター
★★★278.晩春 @神保町シアター
★279.白と黒 @新文芸坐
★280.悪の紋章 @新文芸坐
281.はやぶさ奉行 @ラピュタ阿佐ヶ谷
282.東海一の暴れん坊 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★★283.麦秋 @神保町シアター
284.山の音 @神保町シアター
285.イントレランス @シネマヴェーラ
286.八百万石に挑む男 @ラピュタ阿佐ヶ谷
287.新吾二十番勝負 完結篇 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★288.天下のご意見番 @ラピュタ阿佐ヶ谷
289.江戸っ子判官とふり袖小僧 @ラピュタ阿佐ヶ谷
290.霊魂の不滅 @シネマヴェーラ
291.知られぬ人 @シネマヴェーラ
292.暗黒街 @シネマヴェーラ
★293.人生の乞食 @シネマヴェーラ
294.吸血鬼ノスフェラトゥ @シネマヴェーラ
295.喜びなき街 @シネマヴェーラ
★296.小早川家の秋 @神保町シアター
297.星屑の町 @新文芸坐
★298.前田建設ファンタジー営業部 @新文芸坐
299.きさらぎ無双剣 @ラピュタ阿佐ヶ谷
300.傷だらけの天使 @ラピュタ阿佐ヶ谷
301.君たちがいて僕がいた @ラピュタ阿佐ヶ谷
★★★302.秋日和 @神保町シアター
★303.殴られる彼奴 @シネマヴェーラ
304.百貨店 @シネマヴェーラ
★★305.月世界の女 @シネマヴェーラ
306.白痴 @神保町シアター
307.痴人の愛 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★308.魔術師 @シネマヴェーラ
309.水の娘 @シネマヴェーラ
310.笑ふ男 @シネマヴェーラ
311.めぐりあい @ラピュタ阿佐ヶ谷
312.ザ・スパイダースの大進撃 @ラピュタ阿佐ヶ谷
313.アルプスの若大将 @神保町シアター
314.怪談 本所七不思議 @シネマヴェーラ
315.太平洋戦争 謎の戦艦陸奥 @シネマヴェーラ
★316.妖花伝 @神楽座
★★317.ローラ @新文芸坐
318.シェルブールの雨傘 @新文芸坐
319.虎の子作戦 @ザムザ阿佐ヶ谷

10月

320.ソ連脱出 女軍医と偽狂人 @シネマヴェーラ
    ★ソ連人工衛星 宇宙征服 @シネマヴェーラ
321.汚れた肉体聖女 @シネマヴェーラ
322.悲恋の若武者 @ラピュタ阿佐ヶ谷
323.海はふりむかない @ラピュタ阿佐ヶ谷
>斉藤耕一『海はふりむかない』ラピュタ阿佐ヶ谷。冒頭、出演者クレジットに中山仁と麻生れい子が出て、否が応でも期待してしまう。だが麻生れい子は登場せず。しかしやはり『囁きのジョー』の監督の映画。オレンジ色の夕空にシルエットで映される原爆ドーム。西郷輝彦の愛車ムスタング。服部克久のフランシス・レイふう音楽。尾崎奈々のミニスカート。だが何より素晴らしいのは社長令嬢の夏圭子!!『若者たち』の清貧のイメージとの落差に驚かされるのも束の間、クールな美貌に目が釘付けに。主人公に対して夏圭子がようやく優しい笑顔を見せるとき、幸福な気持ちになっていることに驚く。
★324.JA750号機行方不明 @ザムザ阿佐ヶ谷
325.女間諜 暁の挑戦 @シネマヴェーラ
★326.魚河岸帝國 @シネマヴェーラ
327.メイキング・オブ・モータウン @ヒューマントラストシネマ渋谷
★328.恋をするより得をしろ @ザムザ阿佐ヶ谷
329.高校さすらい派 @ラピュタ阿佐ヶ谷
330.俺たちの荒野 @ラピュタ阿佐ヶ谷
331.ロスト・イン・トランスレーション @新文芸坐
332.ヴァージン・スーサイズ @新文芸坐
333.十代の性典 @角川シネマ有楽町
★334.五十万人の遺産 @国立映画アーカイブ
335.女奴隷船 @シネマヴェーラ
336.女は夜霧に濡れている @ラピュタ阿佐ヶ谷
337.同棲時代 今日子と次郎 @ラピュタ阿佐ヶ谷
338.ザ・タイガース 世界はボクらを待っている @ラピュタ阿佐ヶ谷
339.ときめき @ラピュタ阿佐ヶ谷
340.学園祭の夜 甘い経験 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★341.博奕打ち @ラピュタ阿佐ヶ谷
★342.唐手三四郎 @シネマヴェーラ
★343.下郎の首 @シネマヴェーラ
344.ラブ・ストーリーを君に @神保町シアター
345.猛吹雪の死闘 @神保町シアター
★346.山の讃歌 燃ゆる若者たち @神保町シアター
★347.白鳥の歌なんか聞えない @ラピュタ阿佐ヶ谷
>渡辺邦彦『白鳥の歌なんか聞えない』ラピュタ阿佐ヶ谷。Oさんが「コレ誰がアイドルなんですか」と仰っていたが、オレにとっては正真正銘のアイドル映画。自分にとってこの映画の岡田裕介は、八二分けの髪型、顔面、喋り方、服装すべて、自分はコレになりたかった、という憧れそのものだったから。
>『白鳥の歌なんか聞えない』前作『赤頭巾ちゃん気をつけて』の森和代と比較する人もいるが、本田みちこは加賀まりこよりずっと良い。東京の風景を切り取った画面が夜も昼も朝も最高。衒学的なセリフや退屈なところも最高。しかしとにかく岡田裕介を観る映画。渡辺邦彦は『阿寒に果つ』の人だったのか。
>でも岡田裕介の主演作をオレはまだ全然観ていない。『実録三億円事件 時効成立』しか観てないなんて。TVシリーズ「平四郎危機一髪」と「明治チョコバー」のCMで夢中になった石坂浩二のイメージをさらに突き詰めると岡田裕介の「薫くん」になる。と中学生のオレは思ったのかも。恥ずかしい告白。
348.涙のあとから微笑みが @ラピュタ阿佐ヶ谷
349.港へ来た男 @国立映画アーカイブ
350.連合艦隊司令長官 山本五十六 @国立映画アーカイブ
351.悪人伝 @新文芸坐
352.追龍 @新文芸坐
★★353.銀座っ子物語 @角川シネマ有楽町
★354.浮草 @角川シネマ有楽町
355.さらば夏の光よ @シネマヴェーラ
★356.異人たちとの夏 @シネマヴェーラ
357.バージンブルース @シネマヴェーラ
358.可愛い悪魔 @シネマヴェーラ
★359.挽歌 @シネマヴェーラ
>河崎義祐『挽歌』シネマヴェーラ。草笛光子と村野武範のベッドシーンの冒頭、短いカットの喘ぐ表情が完全に『男と女』のアヌーク・エイメ。挿入される浅川マキ「夜が明けたら」中島みゆき「時代」北原ミレイ「石狩挽歌」。物分かりの良い父親・西村晃。痛い場面の連続なのに好印象。映画の不思議。
>釧路の街のことは知らぬが、この映画といい『阿寒に果つ』といい、1970年代前半の札幌は映画で観るとまるでヨーロッパのどこかの街のように映る。札幌オリンピックで経済的に豊かだったのと、中学生で引っ越して暮らし始めた自分の美化された記憶との相乗効果か。けれどもいまの札幌は、、やめた。
★360.スパイの妻 @シネスイッチ銀座
★361.銀座っ子物語 @角川シネマ有楽町
362.潮騒 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★363.レイニーデイ・イン・ニューヨーク @新文芸坐
★364.誘拐 @神保町シアター 
365.ムツゴロウの結婚記 @ラピュタ阿佐ヶ谷
366.十六歳の戦争 @シネマヴェーラ
>シネマヴェーラで松本俊夫『十六歳の戦争』。凡作。それより下田逸郎ってどういう出自なのか。キティ・レコード人脈かと思ったら違った。浜口庫之助の音楽学校出身。斉藤ノブと組んだバンドでデビュー。そして東京キッドブラザーズ。森田童子とか、この辺の音楽家のことをじぶんは知らなさ過ぎる。
367.冒険者カミカゼ @シネマヴェーラ
368.さらば愛しき大地 @シネマヴェーラ
369.突然、嵐のように @シネマヴェーラ
★370.御身 @ラピュタ阿佐ヶ谷
371.急げ!若者 @ラピュタ阿佐ヶ谷
372.ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった @角川シネマ有楽町
373.落穂拾い @新文芸坐
★374.ジャック・ドゥミの少年期 @新文芸坐
375.季節風 @ラピュタ阿佐ヶ谷
376.港のヨーコヨコハマヨコスカ @ラピュタ阿佐ヶ谷

11月

★377.恐怖に襲われた街 @新宿武蔵野館
★378.オー! @新宿武蔵野館  
★★379.ムッシュとマドモワゼル @新宿武蔵野館
>クロード・ジティ『ムッシュとマドモワゼル』新宿武蔵野館。なぜこの邦題?自分が担当なら「オレは中年スタントマン」かな。ジャッキー・チェンも志村けんもこの映画に影響を受けてたのか、と大感動。ルグランのアシスタントだったウラジミール・コスマの音楽がチャラいオシャレさ満載で最高。
380.仮面/ペルソナ @早稲田松竹
381.叫びとささやき @早稲田松竹
382.大頭脳 @新宿武蔵野館
383.煙突の見える場所 @シネマヴェーラ
>五所平之助『煙突の見える場所』シネマヴェーラ。冒頭「お化け煙突」の説明、他の作品でも観た記憶。上原謙が田中絹代を叱る言葉「ぼくは道に唾を吐いたこともない人間なんだ」に感動。そして冬の夜、夫妻がマフラーを首に巻いて寝るところ←オレと同じ。小倉繁の医者が出てきて新東宝だと思い出す。
★★384.時雨の記 @神保町シアター
>澤井伸一郎『時雨の記』神保町シアター。大好きな佐藤友美が憎まれ役。だがこの前、この女優を観たのは後藤久美子主演の映画、つまり同じ監督の作品だった。いままでに自分が観た映画の中で最も美しい吉永小百合。照明、装置、撮影の素晴らしさ。パーフェクトなお伽話。誰よりも麗しい王子様の渡哲也。林隆三がナレーション、という設定も素晴らしい。涙が止まらなくて困った。
385.東京流れ者 @神保町シアター
386.東京夜話 @シネマヴェーラ
★★387.熱愛者 @シネマヴェーラ
388.危険を買う男 @新宿武蔵野館
389.大盗賊 @新宿武蔵野館
390.警部 @新宿武蔵野館
391.プロフェッショナル @新宿武蔵野館
392.世界を賭ける恋 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>滝沢英輔『世界を賭ける恋』ラピュタ阿佐ヶ谷。裕次郎とルリ子が出会ってから二人でコーヒーを飲むまで30分。ここまで梅野泰靖の出番多し!ようやく婚約するとスカンジナビア航空協賛の観光映画に、そして。意外な時間配分のストーリー運び。待望の日活脇役特集の前夜祭的なオールスター映画。
>『世界を賭ける恋』裕次郎の兄が永井智雄。その妻が奈良岡朋子。母が瀧花久子。ルリ子の兄が葉山良二。その妻が南田洋子。裕次郎の従兄弟が二谷英明。その父が清水将夫。妻が高野由美。裕次郎の同僚が梅野、眼鏡の深江章喜、恩師が下條正巳。ルリ子の友人に葵真木子。恋敵?が意外や松竹の?穂積隆信。
>『世界を賭ける恋』石原裕次郎の左肩の上がった独特の歩き方が魅力的だと知った。そして主人公が建築家として脚光を浴びるきっかけとなる「詩人W氏の墓碑」と、墓碑に関する主人公の言葉を聞いて、初めてじぶんも墓というものに興味を抱く。もちろん墓も葬式もいっさい不要という気持ちは不変だが。
★393.絞死刑 @シネマヴェーラ
★394.監獄への招待 @シネマヴェーラ
★395.メス @シネマヴェーラ
>貞永方久『メス』シネマヴェーラ。松竹の、ヘンなミステリーばかり作る?監督。以前は二時間ドラマみたい、と思ったが独特過ぎる持ち味。とにかく高橋幸治の魅力に尽きる。年に一度くらいしかスクリーンで見ないが、いままでに笑った顔を見たことがない。「沖田総司」では少し笑った?能面の俳優。
★396.ひき裂かれた盛装 @神保町シアター
397.女賭博師 壺くらべ @神保町シアター
398.花のゆくえ @シネマヴェーラ
399.渦 @シネマヴェーラ
400.二階堂卓也・銀座無頼帖 銀座旋風児 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>野口貴志『二階堂卓也 銀座無頼帖 銀座旋風児』ラピュタ阿佐ヶ谷。カットのつなぎが雑で驚く。とにかく旭、ルリ子、錠、芦田ほか、西村晃以外の登場人物がやたらと服を着替える。芦田の着ていた黒革の中国服。日活映画の中の銀座が好き。二階堂卓也の付け髭を見てコロムビア期の大瀧詠一を連想した。
401.CHECKERS in TAN TAN たぬき @ラピュタ阿佐ヶ谷
402.ボクの女に手を出すな @ラピュタ阿佐ヶ谷
403.濹東綺譚 @シネマヴェーラ
404.温泉巡査 @神楽座
405.ロックよ、静かに流れよ @ラピュタ阿佐ヶ谷
406.三本指の男 @国立映画アーカイブ
★★407.完全な遊戯 @ラピュタ阿佐ヶ谷
408.力道山物語 怒涛の男 @ラピュタ阿佐ヶ谷
409.人生とんぼ返り @ラピュタ阿佐ヶ谷
410.雑草のような命 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★★411.ロケーション @シネマヴェーラ
412.帝銀事件 大量殺人 獄中三十二年の死刑囚 @シネマヴェーラ
413.喜劇 女は度胸 @シネマヴェーラ
414.喜劇・女は男のふるさとヨ @シネマヴェーラ
★★415.女咲かせます @シネマヴェーラ
416.喜劇・特出しヒモ天国 @シネマヴェーラ
417.ブルータル・ジャスティス @新文芸坐
418.カラー・アウト・オブ・スペース @新文芸坐
419.田園交響楽 @国立映画アーカイブ 
★420.東京の暴れん坊 @ラピュタ阿佐ヶ谷
421.地下から来た男 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★422.「テント劇場」より 盗まれた欲情 @ラピュタ阿佐ヶ谷
423.暗黒街の美女 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★★424.東京の孤独 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>井上梅次『東京の孤独』ラピュタ阿佐ヶ谷。以前に一度観たが、そのときの映画メモでは★なし。お前の目は節穴か、と思うほどの大傑作。こんな題名だが内容は楽しく手に汗握る、しかし大人の野球映画!ふだん野球なんて全く興味ないのに、オレはなんでこんなに泣いたのか。『男ありて』と並ぶ名作!
>『東京の孤独』バイプレーヤー特集に相応しく、いつもの悪役たちがイイ奴で登場。コーチに安部徹、二軍監督が植村謙次郎!ライバルチームの監督に弘松三郎。小林旭の恋人に名乗りを上げる清水まゆみの可愛さ♡野球でも不敵な仇役の宍戸錠!西村晃、三島雅夫、殿山泰司、芦川いづみ、みんな最高!
>『東京の孤独』何と言っても一喜一憂する小林旭のさわやかな魅力に尽きる。『完全な遊戯』『美しい庵主さん』『無頼無法の徒 さぶ』ちょっとだけ出る『白い悪魔』。渡り鳥でも旋風児でも暴れん坊でもない小林旭の素晴らしさ。若いときのアキラは岡田将生に似ている。前園直樹さんにも似ている。
>『東京の孤独』しかし主演はやはり大坂志郎。ラスト、監督は孤独な職業だ、と語る大坂。だからあなたにやってもらいたい、と話す妻・月丘夢路。コレはそのまんま多くの映画会社を渡り歩いた井上梅次の言葉では。線路を走る列車と快進撃を報じる新聞記事のモンタージュ。この監督ならでは!の語り口。

12月

425.喜劇 男は愛嬌 @シネマヴェーラ
★426.生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言 @シネマヴェーラ
427.天皇の料理番(第一回)カツレツと二百三高地 @シネマヴェーラ
428.ニワトリはハダシだ @シネマヴェーラ
429.花籠の歌 @神保町シアター
430.太閤記 @神保町シアター
★431.37セカンズ @早稲田松竹
★432.アルプススタンドのはしの方 @早稲田松竹
433.風ふたたび @国立映画アーカイブ
434.幌馬車は行く @ラピュタ阿佐ヶ谷
435.無言の乱斗 @ラピュタ阿佐ヶ谷
436.藍より青く @シネマヴェーラ
★437.ラブ・レター @シネマヴェーラ
438.田舎刑事 まぼろしの特攻隊 @シネマヴェーラ
439.野良犬 @シネマヴェーラ
440.喜劇 女生きてます @シネマヴェーラ
441.夢見通りの人々 @シネマヴェーラ
442.太陽、海を染めるとき @ラピュタ阿佐ヶ谷
443.でかんしょ風来坊 @ラピュタ阿佐ヶ谷
444.学生野郎と娘たち @ラピュタ阿佐ヶ谷
445.拳銃0号 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★446.街に出た野獣 @ラピュタ阿佐ヶ谷
447.幸福の限界 @国立映画アーカイブ
★448.東京物語 @新文芸坐
>この日の『東京物語』やはり30数年ぶりに観たのだが、先日の『晩春』『麦秋』『秋日和』ほどのつよい衝撃はなかった。こちら側のコンディションのせい、なのか。
★449.晩春 @新文芸坐
★450.追跡 @ラピュタ阿佐ヶ谷
★451.あすの花嫁 @ラピュタ阿佐ヶ谷
>野村孝『あすの花嫁』ラピュタ阿佐ヶ谷。泣かされて、まだ涙が乾かない。こんなに素晴らしいのにどうしてガラガラなの?こんなに女性映画なのになぜ客席はおっさんしかいないの?と思ったら日曜日に奈良岡朋子さんトークショーがあるのか。実質的なヒロインだもんね。今回の日活特集は傑作揃い。
452.あまい唇 @ラピュタ阿佐ヶ谷 
453.銀座の恋の物語 @ラピュタ阿佐ヶ谷
454.昼下がりの暴力 @ラピュタ阿佐ヶ谷
455.サラリーマン物語 大器晩成 @ラピュタ阿佐ヶ谷
456.真夏の夜のジャズ @目黒シネマ
★457.アメリカの恐怖 @シネマヴェーラ
★458.長屋紳士録 @神保町シアター
459.花と竜 @ラピュタ阿佐ヶ谷
460.青春蛮歌 @ザムザ阿佐ヶ谷
461.愛と死のかたみ @ザムザ阿佐ヶ谷
462.愛は降る星のかなたに @ザムザ阿佐ヶ谷
463.スモーク @新文芸坐
464.闇に光る眼 @ラピュタ阿佐ヶ谷
465.白い閃光 @ラピュタ阿佐ヶ谷
466.探偵事務所23 くたばれ悪党ども @ラピュタ阿佐ヶ谷
467.当りや大将 @ラピュタ阿佐ヶ谷
468.風の中の牝鷄 @早稲田松竹
469.非常線の女 @早稲田松竹
★470.極楽特急 @シネマヴェーラ
471.陽気なルームメイト @シネマヴェーラ
★472.襤褸と宝石 @シネマヴェーラ
★473.オペラハット @シネマヴェーラ
474.七月のクリスマス @シネマヴェーラ
★475.秋刀魚の味 @早稲田松竹
★476.小早川家の秋 @早稲田松竹
>小津安二郎『小早川家の秋』早稲田松竹。9月に続き、今年2度目の鑑賞。真夜中に中村鴈治郎が倒れ、司葉子がアイスピックで氷を割るショットの後、何枚か挿入される空ショットの2枚目だったか、陽の当たらない墓場の風景の右端に「小西家之墓」と刻まれた墓石を発見してしまった。前回は気づかず。
★477.沈黙は金 @シネマヴェーラ

 さて毎年恒例、のむみちさん主筆の『名画座かんぺ』が募る「かんぺ大賞」への参加、選定、投票。映画ファンにとっては楽しい行事ではあるが、今年度はまだ選び切れてはいない。
 作品賞、と言ったら、頭に浮かぶのは
・宇野重吉監督『真夜中の顔』@シネマヴェーラ
・松野宏軌『いも侍・蟹ヱ衛門』@国立映画アーカイブ
の2本しかない。しかし、その2本の優劣が決められずにいる。
 主演男優賞も困った。『真夜中の顔』の梅野泰靖、あの千代田松三、という登場人物を主役と認定して良いものか。『陽のあたる坂道』『時雨の記』の渡哲也。『いも侍・蟹ヱ衛門』の長門勇。『白鳥の歌なんか聞えない』の岡田裕介。梅野泰靖も渡哲也も岡田裕介も逝去した2020年。
 主演女優賞は松本零士・曽根中生『元祖大四畳半大物語』の篠ひろ子。本当なら誰がどう考えても『ふんどし医者』『女医の診察室』『晩春』『麦秋』『秋日和』『東京物語』の原節子で決まりだが、そこは外したくなるではありませんか。しかし『元祖大四畳半大物語』の篠ひろ子は最高。映画を観た方なら賛同してくださるはず。
 助演男優賞は『東京の孤独』の小林旭。
 助演女優賞は奈良岡朋子と浜川智子、ふたりの「トモコ」でまだ迷っている。
 音楽賞はようやく観ることができた新藤兼人『心』の林光。
 そして監督賞は小津安二郎。約37年ぶりに『晩春』『麦秋』『秋日和』『小早川家の秋』『浮草』『東京物語』『秋刀魚の味』といった諸作品を観直して、とにかくこの人は破格にして別格なのだと知る。と、ここまで書いてはみたけれど。『東京の孤独』『銀座っ子物語』の井上梅次、『ふんどし医者』の稲垣浩、『ローマに咲いた恋』の川頭善郎も素晴らしかったからなあ。もうしばらく悩ませてもらうことにする。2020年は松竹映画の年だったのか、とじぶんでも驚く。

●2020年の31本
西河克己『陽のあたる坂道』神保町シアター
クロード・シャブロル『汚れた手をした無実の人々』新文芸坐
宇野重吉『真夜中の顔』シネマヴェーラ
荒井晴彦『火口のふたり』キネカ大森
井上和男『明日をつくる少女』ラピュタ阿佐ヶ谷
野田幸男『不良番長 一網打尽』新文芸坐
ルネ・クレール『巴里祭』新文芸坐
アレクセイ・ゲルマン『戦争のない二十日間』シネマヴェーラ
川頭善郎『ローマに咲いた恋』ラピュタ阿佐ヶ谷
島耕二『御身』神保町シアター
木下恵介『今日もまたかくてありなん』シネマヴェーラ
松野宏軌『いも侍・蟹ヱ衛門』国立映画アーカイブ
マイケル・パウエル『潜水艦轟沈す』シネマヴェーラ
ジャック・ターナー『ベルリン特急』シネマヴェーラ
マキノ雅弘『恋山彦』ラピュタ阿佐ヶ谷
F.W.ムルナウ『最後の人』シネマヴェーラ
F.W.ムルナウ『サンライズ』シネマヴェーラ
稲垣浩『ふんどし医者』神保町シアター
小津安二郎『晩春』神保町シアター
小津安二郎『麦秋』神保町シアター
小津安二郎『秋日和』神保町シアター
フリッツ・ラング『月世界の女』シネマヴェーラ
三船敏郎『五十万人の遺産』国立映画アーカイブ
渡辺邦彦『白鳥の歌なんか聞えない』ラピュタ阿佐ヶ谷
井上梅次『銀座っ子物語』角川シネマ有楽町
クロード・ジティ『ムッシュとマドモワゼル』新宿武蔵野館
澤井伸一郎『時雨の記』神保町シアター
井上和男『熱愛者』シネマヴェーラ
舛田利雄『完全な遊戯』ラピュタ阿佐ヶ谷
井上梅次『東京の孤独』ラピュタ阿佐ヶ谷
野村孝『あすの花嫁』ラピュタ阿佐ヶ谷