今日は車でどこへ行こう 第十七回 「サンタさん、みてたね」
クリスマスの日、 子どものいる我が家には 例に漏れずサンタがやってきた。
野菜嫌いな娘には 「人参食べないとサンタさんが 玩具の代わりに人参もってくるよ」とか 「ピーマンもってくるよ」などと 下心ありありで言ってきたものの、 やはり野菜だけという訳にはいかず 玩具のプレゼントがやってきた。
そこで野菜ではなかった理由を作った。 「最近(娘が)新しい学校に行って がんばっているから、サンタさんは ちゃんとみてくれていたのかもね」と。 すると娘は大きくうんうんと頷く。 がんばっている自覚があるようだ。
その日の午後、娘を後部座席に乗せて 車を走らせていたとき、 突然、後ろから話しかけられた。 「サンタさん、みてたね!」とひと言。
改めて、サンタさんという 不思議な存在について考えていたのか。 そのフレーズを言いたかっただけか。 脳内を覗くことはできないけれど、 3歳なりに一生懸命、 世界を受け止めているようで面白い。