コロナウィルスが存在する世界で暮らす一週間。
リモートワークとVans。地下鉄車内の散骨広告。
ごはんおかわりロボと17時からのドラえもん。
日曜の夜、今年初めて終電近くの電車に乗る。
2021年11月5日(金)
・マグカップに水を入れて、電子レンジにかける
・インスタントコーヒーを溶かして飲む
・顔を洗う
・シェービングフォームを顔に塗ってT字で剃る
・歯を磨く
・髭剃りでガサついた顔に無印良品の化粧水(敏感肌用・さっぱりタイプ)を塗る
・白のVネックTシャツとワイシャツを着る
・眼鏡をかける
・整髪料で何となく髪をいじる
十数年続くサラリーマン生活の朝は、ここまではだいたい一緒。
コロナ禍で変わったこととして、下半身は部屋着のまま。
メールをチェックしていると、リモートでチームミーティングが始まる。
個々人で動かすプロジェクト仕事がほとんどなので、他のメンバーが話すスケジュールやタスクに関心を寄せる人は少ない。
メールとチャットと資料作りでお昼前。
スウェットパンツからグレーのスラックスに穿き替えて、紺色のジャケットを着る。出社の準備。
出社の目的は、社内の打合せと紙の処理(今や出社には目的が伴う)。
相手が世界的な大企業でも契約書類は紙&郵送、というケースはまだ普通にある。
お堅いはずだった弊社も、コロナやDXでなし崩し的にカジュアル化して、部門のトップがデニムを穿いてたりする。
自分も便乗して、通勤時はオールブラックのVansを履いたりしている。
楽ではあるんだけど、少々ダサい。
鏡を見ると、自分が野村訓市氏ではないことを痛感する。野村訓市じゃなさが露呈している。
クライアントに会う時はRegalとかも履くけど、せいぜい月2〜3回。
セットアップのスーツも滅多に着なくなった。
丸ノ内線に乗る。乗客は増えたし、車内で話す人も増えた。
みんなスマホを見るようになったので、文春や新潮は中吊り広告を止めたらしい。
最近は海洋散骨の広告をよく見かけるようになった。法的に大丈夫なんだろうか、といつも思うけど、検索したことはない。
駅と会社の間にあるセブンイレブンでパスタサラダと「サク山チョコ次郎」を買う。
会社に着くと出社率は50%くらい。若手が中心。
若手は出社してれば残業代も出るし、という目算もあるんだろうけど、自分はそういうポジションでもないので、最近は用事が済んだらさっさと家に戻る。
自宅でリモートの打合せや資料作りをして、21時前にやよい軒。肉野菜炒め定食。
やよい軒は特別おいしいわけでもないんだけど、失敗が少ないので、起伏を求めない日の食事に適している。
2年半前の引っ越しで幡ヶ谷とか代々木上原の辺りに住もうと思って止めたのは、あの街にやよい軒がなかったことが大きい。
やよい軒のない街で暮らすのは辛い気がした。
あの頃はまだ、ごはんおかわりロボが存在していなかった。
まいばすけっとでビールを買う。
最初の緊急事態宣言の頃から、スーパードライではなく「糖質ゼロ」を謳ってるものを買うようになった。
大差ないんだろうけど、健康への僅かな擦り寄りの意味もあったし、少し前はスーパードライの東京オリンピックラベルが嫌だった。
安倍晋三の顔が貼り付いてるみたいに思えた。
帰ってマグカップを洗う。今使ってるのはドラえもん50周年のグッズで、氏が50体プリントされている。品物史上最高の品物。
TwitterとInstagramを眺める。
ライブやクラブイベントが増えてきている。
いいね、と思うし、同時に、大丈夫だろうか、とも思う。
この夏、坂本慎太郎のライブのチケットは直前で手放した。
1年以上手元にあったフジロックのチケットは人に売った。
ヒップホップレーベルSummitの10周年ツアーは全公演が中止になった。
25年好きだった自分のスターはまるで囚人みたいになった。
日曜日に恵比寿で行われるイベントの告知が目に入る。
DJは信頼の原島“ど真ん中”宙芳氏、OMSB氏、doooo氏。
久しぶりにデカい音で音楽を聴きたいなと思っている。
2021年11月6日(土)
土曜日は良い。かなり好き。
土曜日さん、ファンです。いつも見てます。
朝から洗濯をして、クリーニング屋に行って、走った。
中学以来ろくに運動なんてしていなかったのに、5〜6年前から体力づくり的な意図で走り始めた。
楽しさや気持ちよさというより、走るようになってから花粉症の症状が劇的に改善したので、「走っておかないと春に死ぬ」という恐怖心メインで続けている。
どんなコースで、どのくらいの距離を走れるようになって、と一度書いてみたものの、昨日に続いての自分語り臭がキツいかな、長いな、と思って削除した。
簡潔にすると、走って、末廣ラーメン食べて、電車で帰ってきて、風呂に入った。晴れてた。
17時からドラえもんを観た。良かった。いい感じだった。ナイスだった。
ドラえもんは、ドラえもん自身も落ちこぼれのダメ野郎、という設定が素晴らしいと思っている。
それから、インターネットで繋がってる某氏がドラえもんのことを「ドラえもんさん」と呼んでいて、それも素晴らしいな、素敵だな、と思う。
少し寝てから、夕食を求めて自転車で近所を回った。
食べたいものは特に見つからなくて、結局やよい軒に行く。ちょうど店員さんが券売機を閉めていて、「ラストオーダー終わっちゃったんですよ〜」と言われたので、「そうなんスね」と言った。
緊急事態宣言明けの営業時間を過信していた。
まいばすけっとでアルミ鍋のセットとおにぎりを買った。まいばすけっとのアルミ鍋シリーズは水すら不要で、ラップを剥がして火にかけるだけ。気に入ってる。
聴いたことのないカーペンターズ“We’ve Only Just Begun”のカバーとか、犯罪行為に関する隠語・スラングだらけの半グレラップとかを聴いた。
大学生の頃、MSCやSCARSといった犯罪やドラッグディールをメイントピックとする日本のラップグループが登場した。
自分は別に違法ドラッグを売ったり使ったりもしない、ただの田舎出身の貧乏学生だったけど、彼らの音楽はそういう「関係ない」若い人間の生活や態度や目つきさえはっきりと変えるものだった。力が湧く感覚があった。
こういう音楽は、今の若い人にとってもそんな形で機能してると思う。
ただ、時間は経って、自分の暮らしぶりや懐事情も変わって、今はこういう音楽をどんな時に聴けばいいのか、よくわからなくなっている。
とか言いつつ、たまに聴いてる。
今年一番よく聴いた新譜は、たぶんGOODMOODGOKUになると思う。
2021年11月7日(日)
朝、まいばすけっとでヨーグルトとクリーム玄米ブラン(の偽物)を買ってくる。
マスクを忘れて外出して、「あ!」と家に戻ることが増えてきた。マンションとまいばすけっとの間を2往復した。
今、自分がマスクをせずに部屋着で外を歩いていたら、きっと狂人にしか映らない。
ルッキズムって表面化が憚られるようになっただけで、むしろ強化されているとも思うし。
金曜にやり残していた仕事に手をつけた。
夕方前に家を出る。恵比寿Liquidroomの2階、TimeOut Cafeのイベントに行こうと思った。
途中、コメディアンがラジオで話していた、わさび醤油が出てくるとんかつ屋のことを思い出して、渋谷で降りた。
渋谷駅前の人出は多かった。
スクランブル交差点で信号待ちをしていると、周りの人や横断歩道の先にいる人々がとにかく黒い服だらけだった。全身黒も珍しくなかった。
人は多いのに何だか沈んだムードがあった。気のせいかもしれない。
渋谷をふらふらして、とんかつを食べて、恵比寿まで歩いた。恵比寿駅前のベンチでしばらくじっとしていた。胃もたれで。
恵比寿は渋谷に比べると明るい色の服を着た人が多い気がした。
会場に入ってビールを飲んでいると、Kung Fu Fightingが流れてきて思わず笑った。
2月に幡ヶ谷のForestlimitに行って以来、興行の類には行かなかった。
その後10月の半ば頃まで、仕事以外で人と話すこともほぼ無かった。
以前からライブやクラブは割と一人で行ってたんだけど、原島“ど真ん中”宙芳氏やインターネットのおかげで少しだけ友人知人が増えて、そんな人達と遭うのも久しぶりだった。
そうくん氏、めぐだお氏、まーちん氏。
謎にショットやシャンパンをご馳走になったり、長野のお土産の煎餅もいただいた。ありがとうございます。
さらに、経緯は内緒だけど、Summitの増田さんにドラえもん柄の白いハンカチをいただいた(!)。ありがとうございます。額装ですね、これは。品物史上最高の品物。
フロアに一人、本気で「踊れる」小柄な女性がいて、格好よかった。ジロジロ見ちゃいけないよなと思いつつ、目を奪われた。
終了後の集合写真にちゃっかり混ざって、外へ出ると小雨。フードを被ったら気にならないくらいだった。
今年初めて終電近くの電車に乗った。
2021年11月8日(月)
典型的な最近の平日。概ね金曜日に書いたとおりで、差分は少ない。
(ここから1日当たりの文字量はぐっと減ります)
昼は会社の近所で買った青椒肉絲とかの中華弁当。
健康診断の結果が返ってきた。
コロナ禍で太ったかと思いきや、痩せていた。BMI 20.0。いわゆる「美容体重」。
あと、右眼の矯正視力が0.2で、眼鏡を間違えてると思った。
夜は思いのほか遅くなって、セブンイレブンでスパゲッティを買ってきた。
昨日いただいたハンカチの写真を撮ってInstagramにアップした。
SNSで繋がってる人の中で、もともとの友人や会ったことがある人は合計で十数人くらい。
メモランダムの長谷部さんとも会ったことはなくて、下北沢で行われた出版記念トークイベントで遠目に見たことがあるだけ。
不思議なものだなと思う。
いきなり自撮りをアップしたり、セクシャルな何かを言い始めたら、どのくらいの人が離れていくんだろう、と時々思う。
京王線の事件以降、電車内で刃物だの放火だのが増えている。
「死刑になりたがって人を殺す奴が出てくるんだから、最高刑は無期懲役にしたほうがいい」という見解を目にしたんだけど、これは死刑廃止論の中ではよく言われていることらしい(詳しくは知らない)。自分もそう思う。
2021年11月9日(火)
朝から「新宿は豪雨」で、テレワーク日和だった。
あの人、最初の3枚くらいまで好きだったのに、すっかり何の関心もなくなってしまった。
何年か前、14歳の時に聴いていた音楽で好みが形成される、という調査結果が話題になったけど、自分は当てはまらないというか、この10年くらいで多くが嫌いになったり、どうでもよくなった。
昼は近所のお弁当屋さんで親子丼を買った。
夜になると雨も上がって、やよい軒でサバの塩焼定食を食べた。
衆院選以降、それから京王線の事件以降、TwitterのTLは重苦しい。
今日は調布で包丁を持った男が現れて、宮城のこども園にも刃物を持った男が侵入したらしい。
白髪染めをした。ずいぶん増えてしまって、月一回では追いつかない。
使っていたメンズビゲン泡タイプが近所で売ってなかったので、少し前にサロンドプロの泡タイプに変えてみた。
何となく、メンズビゲンより色落ちが早い気がする。単に白髪が増えてるだけの可能性もある。
なるべく飛び散らないように洗い流しても、翌日見ると浴槽のへりや浴室の壁に飛んでしまっていて、サランラップとカビキラーで掃除する羽目になる。
2021年11月10日(水)
昼から仕事で神田に行った。晴れていて、少し風が強い。
東京は天気がいい。故郷は日照時間や快晴日数が国内ワーストクラスで、今でも東京の天気のよさに驚くことがある。特に冬は。
あの県は自殺率も全国ワーストに近くて、納得感がある。
水道橋や神田がコロナでシャッター街になった、と何かで目にしたのは結構前だったはず。
神田の人出は少ない気もするし、前からこんなもんだった気もする。
以前からある、商店街のボロネーゼ専門店が目に入った。メニューがボロネーゼのみであることを訴求し過ぎている。
時間もなかったので、「かめや」でそば。
神田での用事が終わると、会社には寄らずに家に帰り、黙々と仕事をした。
音楽やラジオを聴きながら働ける環境の人を羨ましく思ってたけど、テレワークでそれが実現すると、自分にはまったく向いてないことがわかった。何も入ってこない。
22時頃、セブンイレブンでコロッケとカレーライス、ビールを買ってきた。
この日記用に写真が必要だったのに、日常的に写真を撮る習慣がないので、すっかり忘れていた。
ドラえもんを棚からひとつかみ(山下達郎)して写真を撮った。
シネフィルの友人から、年末にKOHHとクロマニヨンズがライブやるってよ、というLINEが来た。
たぶん「行こうぜ」ということなんだろうけど、判断ができなかった。
KOHHは風林会館で行われた田中面舞踏会で一度だけ観たことがある。
調べてみたら、もう8年前のことだった。
2021年11月11日(木)
急用があって朝から会社へ。今日も快晴。
遠足に行くと思われる幼稚園児の皆さんが手を上げて横断歩道を渡っていく。黄色のハットが眩しい。活気があった。
昼食のタイミングを失ってしまったので、昼下がりに会社を出て、何か食べてから家で続きをやることにした。
途中下車して、赤坂の一点張で炒飯。
このお店は世の中が変わってしまう少し前、2020年の2〜3月頃に宇多丸氏のラジオで知ったと思う。たしか高野政所氏とMETEOR氏がゲスト出演していて、「一点張という名前のラーメン屋なのに炒飯も餃子もすごくおいしくて、ぜんぜん一点張じゃない」みたいな話だったと記憶してる。
カウンター席の椅子が鉛でも詰まってんのかと思うほど重い。
家に着くと、Amazonで買った幾つかの本と、並行輸入のChampionのスウェットが届いていた。
買い物に出かけることが少なくなった。日々の飲食料品や日用品を除く大抵のものは通販で買っている。
かつてECD氏が、インターネットは都市に住む者を田舎の住人にする、と書いていた。
窓から田んぼとパチンコ屋のネオンしか見えないレベルの田舎町で育ったんだけど、小さい頃、田んぼの先の世界というのはTSUTAYAで立ち読みできる本と雑誌とレンタルCD、それからテレビ・ラジオくらいでしか知ることができなかった。
いま自分があの町に住む中高生だったら、わざわざ借金して東京の大学に進学しようとは考えないんじゃないかと思う。
今も東京は好きで、ただ、以前に比べると、そうでもないかもしれない。
変な時間に炒飯を食べてしまったので、夜にお腹が空いてきた。
まいばすけっとへ行って、くるみパンを買った。
ちまちまと仕事を続けた。年末っぽい忙しさがやってきている。