アニメメモ・2021  長谷部千彩

2021年はあまりアニメを観ることができなかった――って、去年と全く同じ書き出しですね。昨年にも増して慌ただしい一年だったもので・・・。
年々、アニメを観る本数が減っていて、その代わり、本と映画に割く時間が増えています。数えてみたら、昨年観た映画はちょうど130本。その前の年に比べ、約40本増えている。ということは、やっぱりアニメが後回しになっているんですね。そんな状態なので、書き出してはみたものの、今年はオタクというレベルには程遠い、さえないアニメメモとなりました。
ただ、2021年は食指が動く新作が少なかったというのも事実。あくまで私の中で、ですが。シーズンの始めに新作情報をチェックするけど、結局、旧作をリピート鑑賞している。うーん、残念。

――と言いつつ、本当にそれは残念なことなのかな?とも思うのです。だって、一日に割ける鑑賞時間は限られているし、本当に好きな作品は何度も観直したくなる。配信サイトには、一生かけても視聴しきれない膨大な過去作品がストックされていて、新作を観なくても十分アニメは楽しめるのだから。
もちろん面白い新作があれば、できる限り観たいとは思っている。でも、毎シーズン、名作がボコボコ生まれるわけないだろうし、分母(制作される本数)が大きい分、当たりを引く確率も下がり、限られた時間の中でとなると、ついつい安全牌の旧作に引きこもる。
アニメ業界のことってよく知らないけれど、そもそもこんなにたくさんの新作を作らないと成立しないんですかね?じっくり良い作品を作って、何度も再放送して、長い期間楽しむ、というのではダメなんですかね?でも、それで『鬼滅』と『エヴァ』とジブリと新海誠と細田守しか制作されない世界になったらつまらないしなあ・・・うーん。
まあ、でも、作りすぎ問題は、アニメだけでもないですよね。日本の映画だって、年がら年中、似たようなストーリーの作品作っているしね。

他に、今年興味深いと思ったのは、『カウボーイビバップ』がNetflixで実写化され、配信三週目で打ち切りになったこと。お金をかけたファンムービーかと思ったら公式だった、みたいなクオリティだったから仕方がないと思うし、実際私も第1話のアタマ10分で停止して、「オダギリジョーで作り直して!」と心の中で叫んだけど、あのアニメが実写版スタッフにはこう見えていたのか、と、あまりの認識の違いに愕然。ここは変えちゃいけないよね、というポイントってひとによって違うんだなあと深く深く感じ入りました。まあ、目をつぶって観ていれば、吹き替えはアニメ版と声優が同じだから『ビバップ』ではあったけど。アニメ作品の実写化ってどうなんですかね。これだけどんどん作られるということは、商売になるってことなのかな。映画監督のジェイムズ・アイヴォリーが、文芸作品を制作する際、注意することは?という質問に、原作を読んだときと同質の感動を与えること、というような答えを返していたことを思い出す。

そんな雑感を抱きつつ選ぶ、≪2021年(に私が観た)新作アニメベスト3・わりと毎週楽しみにしていた編≫は――(順不同)。
*『ヤンキーハムスター2.5』
*『うらみちお兄さん』
*『吸血鬼すぐ死ぬ』

疲れているときには笑えるもの、というのと、年のせいか、ストーリーが複雑なものを避ける傾向が出てきたというのが、ベスト3にあらわれている。私のアニ活、もしかしたら過渡期に来ているのかもしれません。

 

1月~3月
-『BEASTARS:シーズン2』 1回観ただけではいまいち内容が理解できず。でも、シーズン1の第1話で起きた食殺事件の犯人が判明するシーズン2のほうが俄然面白かった。シシ組のNo2のライオンの、ルイ先輩(シカ)への接し方が私には同性愛的に見えたんだけど、違うのかな?考えすぎ?
-『ゆるキャン△ SEASON2』 女の子たちが性的役割を担わずに活躍するアニメというジャンルが私の中にあって、このアニメもそのひとつ。ただ女子高校生が夜中にひとりで原付乗ってソロキャン(プ)に行くのは大丈夫なのか、いつも心配になる。危なくないの?事件に巻き込まれそうで怖いです。
-『おそ松さん第3期』 惰性で観ている、と気づきながら観ていた。『あぶない刑事』のパロディ、「やりたい刑事」回が面白かった。柴田恭兵っていい役者よね。でも、第3期で何が一番良かったかと言えば、A応PのOP曲『6つ子の魂ナユタまで』。「全力ドヤ顔 / 間違ったこと偉そうに」という歌詞は、女性じゃなきゃ書けないと思う。ホント、人生でどれだけ「全力ドヤ顔、間違ったこと偉そうに」な男に出会ってきたか(しみじみ)。『おそ松さん』は第4期も制作されるだろうけど、A応Pが解散しちゃって、来期からはあの奇天烈なOP曲が聴けなくなると思うと残念!
-『約束のネバーランド:シーズン2』 主人公たちがいい子すぎて・・・。
-『ねこねこ日本史:シーズン1』 卑弥呼と伊能忠敬が好き。
-『はたらく細胞BLACK』 『はたらく細胞』本編よりもこのスピンオフのほうが何倍も面白い。喫煙、アルコール、淋病、ED、カフェイン、水虫、円形脱毛、胃潰瘍、痛風・・・。中年男性はこれを観て、我が身について考え直すといい。
-『ねこねこ日本史:シーズン2』 一昨年の京都旅行で一番エキサイトしたのは養源院だったけど(血塗れの天井!)、養源院を創建した茶々、再建した江が登場する浅井三姉妹の回が面白かった。日本史、学生時代に真面目に勉強しなかったせいであまり理解できていないけど、『ねこねこ』観てるとなんとなくつながってくる。
-『さらい屋五葉』 オノ・ナツメ作品。久しぶりに観直してみた。八木平左衛門がかっこいい。
-『ねこねこ日本史:シーズン3』 個人的に相模湾沿いの街に憧れがあって、小田原当たりにいつか住んでみたいと思っている。ゆえに北条五代回は、小田原城にこんな歴史が、と興味津々で鑑賞。
-『中高一貫!キメツ学園物語』 感想なし。

4月~6月
-『推しが武道館いってくれたら死ぬ』 二周目。武道館ライヴまでChamJamを全力で応援するくまささんを全力で私が応援したい。続編、切望しています。
-『ヤンキーハムスター』 何回観ても面白い。文句を言いたいときも、ヤンハム声で「テメエ、コノヤロー!」と言えばカドが立たないと思う(たぶん)。
-『ODD TAXI』 東京を舞台にした作品って膨大な数あるけれど、自分にとってそれがリアリティを感じる東京かどうかはまた別な話で、例えば新海誠作品の東京などは見知った景色が出てきても他人の東京という感じ。その点、『ODD TAXI』に出てくるのは、私がよく知る夜の東京で、ああ、この空気感!と思う。私自身、夜、タクシーに乗ることが多いからかもしれない。
-『銀河鉄道999 出発編』 格差社会の問題を扱ったニュースを見たり読んだりしたとき、『銀河鉄道999』みたいだなあと感じることが多く、おとなになったいま観直したらどんな感想を抱くだろうと思い、数十年ぶりに視聴。想像以上のヘヴィーさにたじろぐ。こんな未来は嫌だ的な物語のはずなのに、2021年このアニメそのままの現実が広がっているという・・・。
-『ましろのおと』 津軽三味線に詳しくなるかと期待して視聴。不思議なのは、音楽を使ったマンガ / アニメってどうしてみんなコンクールで競うストーリーなのだろう。なぜ体育会系展開に?音楽において、コンクールって二次的ものだと思うんだけど。
-『NOMAD メガロボクス2』 1よりも2のほうが面白かった。地味だけど、こういう硬派なアニメ、なくなって欲しくない。プロップデザインの仕事も丁寧で好き。
-『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 アスカが幸せになって良かった。意外と手近なところに行った感はあるけど。
-『極主夫道』 今千秋監督作品。今監督の過去作品『ゴクドルズ』が面白すぎたため、どうしても比較して物足りなさを感じてしまう。
-『どすこいすしずもう』 面白さが理解できないんだけど、それがこのアニメに対してなのか、すもうに対してなのか、よくわからない。私自身がすもうに疎い人間なので。
-『ヤンキーハムスター2』 新キャラ ”ばばあ” がめちゃくちゃ可愛くて、“ばばあ” の声真似しながら「ばばあだよ!」とあちこちで言ってまわっていたら、自分をばばあと言うことに抵抗がなくなってしまった。要は言い方なんだなと思った。
-『宇宙なんちゃらこてつくん』 子供向け作品。宇宙豆知識を知ることができるけど、さすがに私には退屈。ED曲がライムスター。保護者世代をつかみにいってる。
-『さすらいくん』 セクハラフィーリングあふれる一本。大人向けアニメだとしても、現代ではたぶん制作不可能。オヤジに優しいのどかな時代も、完全に過ぎ去ったと痛感する。あの日を経ていまがあるという意味で、削除せずアーカイヴしておくべき作品かと。
-『セスタス』 帝政ローマ時代の奴隷拳闘士の物語。あまり話題にならなかったみたいだけど、昨年から古代ローマを舞台にした本や映画を読んだり観たりしていることもあり(『スパルタカス』とか)、私は楽しんで観ていた。死ぬまで戦わなくちゃいけないなんて、奴隷に生まれなくて良かった~!と毎回幸せを噛みしめた。

7月~9月
-『NIGHT HEAD 2041』 映像はとても綺麗。面白さはまあまあ。白組のアニメ、自分に合わない気がする。
-『秒速5センチメートル』 私にとって新海誠監督の描く青春は異次元。小学校で出会った男の子と結婚なんて、絶対したくないと思うけどな~。夢がないじゃん(女ごころ)。
-『銀河鉄道999 空間軌道篇』 戦争を観光資源にする星の話(お金持ちが、本物の戦闘を見物しながら食事する)「永久戦斗実験室」の回が怖かった。っていうか、こういうことも、遠くない未来、現実になるんじゃないかと思う。
-『ヴァニタスの手記』 フランスが舞台なのに、登場人物のしぐさがまったくフランス人のそれではなく、完全に日本のアニメしぐさなのが超シュール(シュールさを楽しむという意味では面白かった)。フランス人は、これを観てどう思うのか知りたい。一応全話観たけど、全くストーリーが理解できなかった。たぶん私が中年だからだと思う。
-『うらみちお兄さん』 子供番組の体操のお兄さんの性格がものすごく暗く、いつも疲れているという設定が、意外とツボに入って原作マンガまで買って読んでしまった。
-『迷宮ブラックカンパニー』 ものすごく面白いわけじゃないんだけど、なんとなく毎週観ていた。主人公の二ノ宮キンジ、黒いビキニを穿いているけど、黒のビキニ穿いているひととつきあったことないなーと思った。穿いているひと少ないんじゃないかなあ、どうなんだろ。
-『サムライチャンプルー』 夏が近づくと無性に観たくなる。去年は観なかったので、今年は、と思い視聴。剣戟+ロードムービー+ヒップホップ。最終回の舞台の生月島(長崎)、2022年こそ聖地巡礼に行きたい。
-『輪るピングドラム』 妹につきあって再視聴。長女キャラ真砂子に同情(私も長女だから)。
-『エースをねらえ!』 味付けの濃い演出の作品が観たくなり、出崎統ものを。この時代のアニメって回想シーンが少なく、ストーリーが時間の流れそのままに進んでいくところが観ていて楽。『エースをねらえ!』は久しぶりに原作マンガも読んだ。おとなになってから読むと、とても不思議なマンガだった(岡ひろみの自己決定権はどこに)。
-『時をかける少女』 小学生の姪と鑑賞。鑑賞後は女子の定番ネタ、千昭と功介、つきあうならどっちという話に。
-『おおかみこどもの雨と雪』 小学生の姪につきあって再視聴。私自身はそれほど面白いと感じないけど、子供がこんなに面白がっているならいい作品なんだな、と納得。姪の目には弟の雨がイケメンに映るらしい。鑑賞後、姪と話し合った結果、雪を身ごもった時点ですぐに、おおかみ夫と人間妻が田舎に引っ越し、自給自足の生活をすれば、家族四人エンディングが迎えられたのでは、ということに。
-『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』 アニメのクオリティはものすごく高いけど、説明台詞が多いね。
-『東京リベンジャーズ』 ヤンキー+SF。ペヤングネタに笑わせてもらったという理由で場地圭介推し。
-『BLACK LAGOON』 レヴィの声、もっとガラが悪い感じでもいいんじゃないかと思った。
-『ヤンキーハムスター2.5』 「相手のメンツをぶっつぶせ!」←いい台詞。安定の面白さ。
-『Sonny Boy』 監督夏目真吾&キャラクターデザイン江口寿史で期待して視聴したけど、一回通しただけではストーリーが理解できなかった。時間ができたら観直したい。

10月~12月
-『劇場版SHIROBAKO』 テレビ版の4年後が描かれていて、当たり前だけど、作中、作画監督の遠藤さんが相変わらず住宅ローンを払っていて、おお、頑張ってるね!と旧知の友達でも見ているような錯覚に陥った。
-『劇場版SHIROBAKO』 2周目。友達につきあい再視聴。月並みな感想だけど、『SHIROBAKO』は、観た後に明るい気持ちになるからいい。
-『劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―』 間違えて観てしまった。娘溺愛話がほぼ全て苦手です・・・(現実でも)。
-『吸血鬼すぐ死ぬ』 くだらなさのレベルが高くて毎回大笑いした(下ネタ多いけど)。最近笑えるアニメが少ないからギャグ枠貴重。こんなの毎週楽しみにしているひといるのかなと思ったら、秋アニメ人気投票でまさかの1位でびっくり。サテツが、細谷正佳ヴォイスで性癖告白するところ、私はS趣味全くないけど、そういう趣味のひとはこういうのに萌えるのかな?と思った。
-『ブレッドウィナー / 生きのびるために』 劇場公開時に見逃してしまったが、Netflixのリストに入ったので視聴。2001年、タリバン支配下カブールに生きる少女の物語。2021年、アフガニスタンがここに逆戻りしてしまったこと、本当に胸が痛む。女性たちに、奪われた自由を返してあげる方法はないのだろうか。
-『ルパン三世PART6』 小林清志さんの次元大介役引退作にあたる第1話、なぜこんな脚本にしたのか首をかしげる。「俺は時代についていけない」みたいなこと繰り返し言わせて、年寄りいじめみたいで観ていてつらかった。最後ぐらい、大和屋竺テイストのドライな次元大介を演じさせて欲しかったなあ。PART6全体については、一応観ているけど、メインストーリーに新しさがない・・・。押井守脚本回は良かったけど。ルパンはもう新作を作らなくてもいいのかも(しんみり)。
-『ポカホンタス』 アメリカ文学の講義で取り上げられたので観た。
-『ポカホンタス』 姪と一緒に再視聴。現実にはポカホンタスとジョン・スミスは恋愛関係になかったと知ったいま、こんな物語を勝手に作られてポカホンタスさんには同情しかない。草場の陰で怒り狂っていることだろう。
-『ねこねこ日本史:シーズン4』 大友宗麟回、山本八重回、明智光秀回が特に面白かった。山本八重を『ねこねこ』で知ると、綾瀬はるかが演じるのは違うんじゃないかという気になる。大河ドラマって大抵これじゃないキャスティングだけど。
-『サムライフラメンコ』 妹につきあって再々々々々視聴。6周目。何回観てるんだと自分でも思うけど、何回観ても面白い。ごっちんが好き。
-『白い砂のアクアトープ』 女の子がわちゃわちゃやるアニメかと思いスルーしていたんだけど、水族館で働く人々を描くお仕事アニメだった。派手さはないけど、キャラクターの心情が丁寧に描かれていて好感が持てる。アニメでもこんな上品な感じが出せるんだなと思った。アイキャッチも毎回凝っていて良かった(テキストのモーション)。
-『鬼滅の刃 無限列車編』 煉獄さんはなぜ飲んだくれの父親に「クソじじい、こっちから縁切ってやる!」と言い捨てないのか、それが不思議。子供だというだけで親の八つ当たりを我慢しなきゃいけないなんておかしいと思う。そして煉獄母も息子に結構な呪いをかけていると思うのですが・・・。
-『鬼滅の刃 遊郭編』宇髄天元役が小西克幸さんってぴったりだけど、秋アニメで小西克幸さんが主役をやっていた『迷宮ブラックカンパニー』を観ていたから、宇髄天元が二ノ宮キンジとダブってしまう(どちらもビキニ系キャラ)。個人的には『鬼滅』は遊郭編が一番面白いと思う。堕姫の言いたい放題の性格が可愛い。
-『キミとフィットボクシング』 ニンテンドーSWITCHのエクササイズゲーム『FIT BOXING2』をアニメ化・・・って、なぜそんなことを考えたのか。『FIT BOXING2』、時々やってるけど、ゲーム内インストラクターの日常なんて知りたいと思わなかった・・・。設定が無茶すぎて全話観てしまった。
-『でーじミーツガール』 一回二分のショートアニメ。さすがに短すぎて、面白いと感じる間もなく毎回終わってしまう。
-『銀河鉄道999 アンドロメダ篇』 テーマが本当に重く、続けて観るとつらくなってくるので、数話観たら、数日空けてを繰り返しながら進めている。完走までもう少し。
-『輪るピングドラム』 2022年のリメイク版公開を控え、YouTubeで毎週一話ずつ公開されていたのを視聴。最後までわからずにいた、子供の晶馬と冠馬が入っていた箱が何かという疑問が、やっと今回理解できた。ちなみに私が好きなのは眞悧先生。こういうキャラが出てくると、幾原作品を観た!という気になる。
-『ねこねこ日本史:シーズン5』 さすがにこれだけ観てくると、日本史に対する苦手意識も消え、最近は石田三成について詳しく知りたいと思っている。
-『SHIROBAKO』 友達につきあって再々視聴。三周目。登場人物がものすごく多いのに、ひとりひとりのキャラクター設定が緻密で、何度観ても感心する。友人は「太っているひとがたくさん出るところがいいね」とのこと。住宅ローン支払中の作画監督遠藤さんがタリーズ(だったかな?)でコーヒーを飲もうと誘うと、奥さんが家で淹れる(節約)と返すシーンが好き。とことん軽い高梨タロー(制作進行)、こういう男いるいる、と思いつつ、このいるいる感を出す台詞、意外と書くの難しいかも、と思ったり。