フィギュアのあさみさん第9回

第九回『Just a girl、日本発売!』

こんにちは、あらごんです。
前回は、WOWORKSさんと共同開発したオリジナルフィギュア「Just a girl」が中国のトイイベントにて無事販売され、即完売という結果に大満足というお話をさせていただきまし た。

今回はそんな「Just a girl」を日本でも販売してみたいと行動を起こすところからはじめたいと思います。

「Just a girl」のカラーバリエーションが4種類ほどになった頃、僕はWOWORKSのBさんに「日本でも少数でいいから販売できませんか」と持ちかけてみました。
ここまで一切、日本での販売について話をしてこなかったので、ダメもとの打診でしたが、意外にも快くOKのお返事をもらうことができました。

この時点で販売イベントが決まっていた白いTシャツと黄色いTシャツのバージョンは間に合いませんでしたが、その後に発売を予定していた黒いTシャツとグレーのTシャツ、さらにその後に制作した青いTシャツとピンク髪のバージョンをそれぞれ10〜20体ほど。それらを、僕自身が個人輸入という形でお金を出して買い取るという方式です。

そのようなやり取りを経て、数日後、ついに「Just a girl」が、海を渡り自宅に送られてきました。

到着したのはこちらの4種類。

これまで、中国のトイイベントで買ってくださった方々のInstagramにアップされているのを眺めているだけの状態が続いていたのですが、このとき初めて製品版の実物を手にして、手作り版よりもひと回り大きくなった存在感と、マグネットが内蔵されたことでしっかりと回るようになった首、破損することなく開封できるブリスターパッケージ等々、製品版とし てクオリティアップした部分を確認することができ、改めて「ああ、本当に製品になったんだ」という実感が湧いてきました。

さて、この黒とグレーをどのように日本で販売するか・・・。

BASEのような既存の通販サイトを利用するか、それともTwitterやInstagramで個人的に注文を受けるか。色々考えましたが、まずは、長い間、このフィギュアの制作を見守ってくださっていた方達に届けたいと思いました。
見守ってくださっていた方達というのは、ファンコミュニティ「​pixivFANBOX​」で僕を支援をしてくださっていた方達のことです。

「​pixivFANBOX​」とは「クリエイターの活動を応援しよう」というサービスで、ここでしか見ることのできない作品や、制作秘話・裏話などをコンテンツとして提供し、毎月クリエイターが任意で設定した金額(僕のFANBOXは月額300円です)を支援者が支払うことで閲覧できるシステムです。
僕はこの「FANBOX」にフィギュア制作をはじめた頃から登録していて、そこで週2回、制作の状況をブログという形で報告していました。
したがって、初期から支援してくださっている方達には、3Dプリンター購入時からここまでの道のりをずっと見守っていただいていたということになります。

実はワンフェスの時にも、イベント販売分とは別に、手作り版フィギュアを多めに作っていました。これも支援者の皆さんに向けて販売するためものです。

なので、やはり製品版も彼らに、と考え、最初に届いた黒とグレーの「Just a girl」はそちらで先行販売することにしました。

そして、そこで残った黒とグレー、新たに届いた青とピンクの「Just a girl」。さあ、これらをこれからどのようにして販売するか・・・。

そこで、僕がよく通っていて、ゲームやデザインに特化した雑貨やアパレルを販売している 西荻窪のMETEOR店長・坂上さんに相談してみることにしました。
坂上さんとは店長と客という間柄ですが、数年前にMETEOR主催の『わたしのファミカセ展』という展示に、僕が一般応募で参加したことがきっかけで、懇意にさせていただいています。
このMETEORでは、坂上さん自身がセレクトした雑貨、そしてフィギュアも扱っているのです。

まだ製品版の制作が開始されたばかりの頃、坂上さんに「もし日本でもフィギュアを販売できることになったらMETEORに置いてもらえないか」と図々しくもそれとなくお願いをしたことがあります。しかし、その時はあくまで仮定の話。
そこで改めて、店舗に製品版のフィギュアを持参し、坂上さんに「こんな感じのフィギュアなのですが、どうでしょうか?」とお見せしたところ、取り扱っていただけることになりました。

METEORで販売されるフィギュアのラインナップはこちらです。

これらのフィギュアを、店頭販売、web販売(先着)、web販売(抽選)の順番で販売してもらいます。
METEORは僕にとって10年以上に亘りずっと憧れのお店だったので、自分のフィギュアが並ぶなんて夢のようです。

そして迎えた店頭販売初日。坂上さんの話によると、なんと開店前からお店の外にフィギュアの購入を希望する方の列ができたそうです。
まだ知名度のないフィギュア販売のはずが、なぜ・・・?
その疑問はすぐに解消されました。並んでくださった方の大半は中国の方だったようです。

この後、中国の方からInstagramにメッセージをいただいたのですが、この方は日本にいる中国人の友達に頼んでMETEORに並んでもらったそうです。
中国でのトイイベントの影響が日本にまで及んでいるとは驚きです。

店頭販売の後は、いよいよwebでの先着販売と抽選販売です。
僕がなぜMETEORに販売をお願いしたかというと、僕の大好きなお店だからということもあるのですが、web通販が海外発送に対応しているからというのも大きな理由です。

いままで「Just a girl」は、中国のトイイベントまで足を運ばないと購入することができませんでした。
しかし、僕のもとには各種SNSを通じて、中国以外の国の方からも「このフィギュアはどうやったら買えるのか」というたくさんの問い合わせがありました。
そこで、日本での販売と同時に、ほんの少しの数かもしれないけれど、世界中どの国にいてもフィギュアを手に入れることができる、そんな機会をなんとか作れないものかと僕は考えていました。
という訳で、まさにMETEORのweb通販は救いの神!

「これでようやくあのひと達にもフィギュアを手にしてもらえる」

そう思い、僕はInstagramやTwitterで海外通販対応のweb販売をアナウンスしました。

そして迎えたweb販売は、先着販売分は開始早々に完売。抽選販売分には中国、日本はもちろん、二十数カ国から数百件の申し込みがありました。

これはもう趣味どうこうではなく、責任を持ってこの先も、「Just a girl」を欲しいと思ってくださる方に喜んでもらえるような新色を考えていきたい。また販売に関しても、METEORと坂上さんを頼るばかりではなく、しっかりとした販売形式を自分自身で構築する必要があると思うようになりました。

こうして、製品版「Just a girl」の誕生から1年半後の現在、真剣に制作を続けた甲斐もあり、「Just a girl」シリーズとそれに続く新商品を30種類近く、WOWORKSさんから世に送り出すことができました。

日本における販売については、新型コロナウイルスの影響もあり、イベント販売が難しいと感じた僕達は、Shopifyというweb通販システムを利用したショップを立ち上げ、海外発送の要望にも応えることができる体制を整えました。
通販の作業は本業の合間にこなさなくてはならないので、少しずつの対応しかできませんが、様々な国へ送り出したフィギュアが、購入してくださった方の手で写真に撮られ、Instagram等にアップされるということが続き、世界中の方達との繋がりを感じられるようになりました。
初めて日本のワンフェスで売った11体の手作りフィギュアから2年、この様な状況を迎えることになるとは、本当に夢にも思いませんでした。
そして、僕のフィギュアを気にかけて下さった方達に少しでもお返しができるよう、これからもいいものを作り続けようといま一度心に誓うのでした。

・・・さて、

ここで1年と数ヶ月ほど前に時を戻したいと思います。
どの辺りかといいますと、2019年の春。僕たちがWOWORKSさんと契約をして、「Just a girl」製品版の制作が開始された直後くらいです。

フィギュアの実制作作業がWOWORKSさんに移り、自分たちの手を少し離れた「Just a girl 」製品化の裏で、僕はもう一つの目標である「あさみさんのフィギュア」制作に取り掛かることになるのでした。

そもそもこの連載のタイトルは「フィギュアのあさみさん」。ここにきてようやくそのあさみさんが登場したという訳です。

連載もすでに第9回目ということで、とても長い前振りになってしまいましたが、次回からいよいよ「Just a girl」製品版開発の裏でひっそりとはじまった、「あさみさんフィギュア」制作を振り返っていこうと思います。

それではまた次回!