フィギュアのあさみさん

第四回 『販売イベント初参加』

こんにちは、あらごんです。
前回は、ようやくオリジナルフィギュアが完成したまでは良かったものの、参加予定の販売イベントまで実はあと数日しかないという状況までをお伝えしました。
果たしてイベントまでに、販売できるだけの数のフィギュアの生産が出来たのか?
そして初のイベント参加はどうなったのか?
その辺りを振り返りたいと思います。

イベントまで残り日数があまりなかったので、本業も一旦お休みし、夫婦でフィギュアを量産する作業にあてました。とはいえ1体1体が手作りなので、急いで作ることができません。下記の工程を分担して丁寧かつ迅速にこなしていきます。

・複製されたレジンパーツについている余分な凸凹を、デザインナイフで丁寧に削る。
・パーツ分けされた首と足が胴体にしっかりハマるよう工具で穴を空け調整。
・レジンに付着した油分を落とすため、中性洗剤を入れた水に1日漬け込み、その後一つ一つ丁寧にブラシで洗う。(この作業を怠ると、着彩する際の塗料が油分ではじかれ、上手く塗装できません)
・洗ったパーツを乾燥させた後、水溶性アクリル塗料「ファレホ」で塗装。
・半光沢のトップコートを噴きつけた後、食器乾燥機に入れる。(模型愛好家の間では、食器乾燥機をこの様な用途で使用されている方が多い)
・ペーパークラフト眼鏡(第三回参照)を塗装した後、瞬間接着剤で硬化させ、フィギュア用の眼鏡を作る。
・乾燥したフィギュアを一つ一つ組み立てる。
・フィギュア用眼鏡を慎重に瞬間接着剤で顔に固定。
・パッケージする際にフィギュアを支える直方体状の土台を厚紙で作る。
・エアダスターで細かなホコリを吹き飛ばした後、ブリスターパッケージにフィギュアを入れる。

前回の記事では駆け足でお伝えしたので省略した部分もありましたが、それらも含めるとこれだけの工程があります。それでも趣味で始めたことなので辛さはなく、作業に取り組んだ日々は充実していて楽しかったです。

そして販売イベント前日。
全ての時間をフィギュア製作に費やしたおかげで、これだけの数のフィギュアを生産することが出来ました。

ご覧のとおり、白いTシャツとは別にイベント限定カラーの黒いTシャツも用意しました。限定カラー用には、新たに別バージョンのパッケージを作っています(こだわり)。

全部で14体ありますが、ここから白と黒1体づつは展示用に引いて、さらに白1体が失敗気味だったので、ブリスターパッケージに入れた状態でこちらも展示用サンプルということで1体引き、販売用に白が6体、黒が5体の計11体が商品ということになりました。
販売価格は「これくらいなら気軽に買えるかも」と二人で話し合った結果、1体2000円という価格に落ち着きました。材料費等考えると大赤字ですが、趣味で始めた活動でもあり、素人の制作物なので、まずは知って欲しいということでこの価格にしました。

イベント当日の朝、天気はあいにくの雪でした。
地元の最寄り駅まで荷物は車で運搬する予定でしたが、家の外に停めている車を確認したら、なんと車に大量の雪が積もっていました。そのうえ、寒さで雪が氷のように固まってドアも開かず、フロントガラスも固まった雪が積もっていて、ちょっとやそっとでは取り除けない状態です。早く出発しないと会場の入場時間にも間に合わないので、この時は本当に焦りました。
しかし、イベント数日前に地元のスーパーで除雪グッズ(解氷スプレー)を購入していたことを思い出しました。早速、解氷スプレーをフロントガラスとドアに噴きつけると、みるみるうちに雪が解けていきます。もはやフィギュアの記事とは関係ありませんが、これはとても便利なグッズなのでお勧めです。おかげで雪も短時間で取り除くことが出来たので、無事自宅を出発し、時間内に会場に到着することが出来ました。

ここまで参加するイベント名を明確に言ってませんでしたが、この日行われたのは『ワンダーフェスティバル 2019冬』。通称ワンフェスと呼ばれていて、夏と冬、年2回開催され、国内のみならず海外からも多くの方が足を運ぶ、国内最大のフィギュアの販売イベントです。
そんなワンフェス会場に到着すると、すでにたくさんのディーラーの方達が準備をしていました。みなさんすごいディスプレイなので、見てまわるだけでもワクワクしてきます。けれど今回は自分たちもフィギュアを販売するのです。割り当てられたスペースに到着した後、早速飾りつけの準備をします。
こちらがワンフェス当日の自スペースの様子です。

正直フィギュアの制作と量産に夢中でディスプレイに関する事前準備をあまりしなかったのと、販売物が2種類だけということもあり、かなり簡素なものになっています。
それでもフィギュアの制作期間中に並行してつくっていた、シャッターのジオラマがあるのがまだ救いでしょうか。

ちなみにこのシャッターのジオラマも3Dプリンターでつくったものです。

こうして準備も終わり、いよいよワンフェスがはじまりました。
結果はなんと、11体のフィギュア、全て売れました。イベントが開始して20分弱、あっという間の完売です。正直とても驚きました。
事前にSNSで宣伝したので、それを見てくださった方や偶然通りかかった方、海外から来られた方、様々な方が自分たちのフィギュアを買いに来てくださり、本当に嬉しかったです。
完売後も展示品の写真を撮ってくださったり、フィギュアの販売に関するお問い合わせを頂いたり、楽しいイベントとなりました。

こうしてワンフェスも無事終了し、嵐のような数日間が終わりました。
しかし、この販売した11体を購入してくださった中の1人の方がキッカケで、事態は思わぬ方向に動くことになりますが、この続きはまた次回お伝えしようと思います。

それではまた来月。