本を読む場所

第六回 紀藤順一朗

本を読む場所

第六回 紀藤順一朗

 渋谷駅近く、繁華街の一角の居酒屋。チェーンというほどではないけれど他にもいくつか店舗はあるらしい。名物は鶏の手羽揚げで、手羽揚げ食べ放題に飲み放題をつけて 90 分で 3 千円弱。ある時期は毎週のように通っていて、毎回 20 本近くは食べているので、月に 80 本、なんなら 100 本近く手羽を食べていたことになる。

 1人客はもっぱらカウンターに案内される。足元のかごに鞄を入れて、本を取り出す。まずはビール。しばらく通ううちに、何も言わなくても手羽が出てくるようになった。ビールとチューハイを飲み干して、お代わりの手羽を揚げてもらう間に、かたわらの本を開く。

 この仕事についてから、小説があまり読めなくなってきて、つい新書やノンフィクションを選んでしまう。この店の向かいには書店があり、そこで買ってきた新刊の新書をお供にすることもあった。頭が少しボンヤリしてきて同じ行を何度も追うようになったら、お開き。いくつかの季節が過ぎ、だんだん若い客が増えてきたころから、何となく足が遠のいてしまった。

 脂の染みがついた数冊の本を眺めながら、久しぶりにちょっと味の濃い特製ダレの手羽を食べようと思った。まだ、読み終わっていない本があるのだ。

 

① 東京ボンベイ ( キーマカレー ) / 恵比寿

 昨年までサラリーマンを36年間やっていました。週に5日は満員電車に乗って会社に行く。苦痛な時間ですが、食いしん坊なので“今日のランチのこと”を考えて、耐え忍んでおりました。今回からはじまる新連載は、その“ぼくが9,000回以上車中で楽しみながら悩んでいた気持ち”をコンセプトにしました。題して「食いしん坊の会社員が、 20日に一度は食べに行きたくなるランチ店」。毎回一軒、推しメニューとともに紹介していきます。記念すべき第1回は恵比寿のカレー店。店の名前は【東京ボンベイ 恵比寿ガーデンプレイス店】です。猛暑はスパイスの効いたカレーを欲しますからね。ぼくが足繁く通っているカレー屋さんに【デリー(上野店/銀座店)】がありますが、こちらはその流れをくむ店。千葉県柏にある1963年創業の名店【カレーの店 ボンベイ】の東京支店のひとつです。日本人の味覚に調整したインドカレー店だと思います。ですから、あの激辛旨味のカシミールカレーもあるし、インドも、コルマもある。ですが、ぼくはこちらでは「キーマカレー」を注文します。鶏挽肉を使っていてヘルシーだし、香り高いスパイス使いが最高です。ドライ系のキーマを出す店も多いですが、こちらはルー系。辛いのがお好きな方は、店員さんに食券を渡すときに「赤キーマで」とお願いしてください。時間があるなら、近くに東京都写真美術館もありますよ!恵比寿近くで打ち合わせの際はぜひこちらに行ってみてください。

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