本棚を作った。
窓があるほうの壁一面に。窓までの高さで、だいたい腰くらい。
一人でネジを止めて、一人で設置した。
有料の組立設置サービスもあって机にはそれを利用したのだけど、
本棚は自分でやりたくて、そのオプションはつけなかった。
前の家にはリビングに天井まで本棚が付いていて、そこにソファーをおいて本を読んでいた。
今の家には自分の部屋に本棚があって、ソファーは向こうのリビングにある。
さて、何を読もうかなと考える。
今まで上から下へ突っ立って棚を見ていたのが、右から左へ歩きながらに変わったなと気付く。
本を選んでリビングへ行く。
深く座ったソファーから月が見えた。
オットマンに足を伸ばして、膝の上にクッションをふたつ(硬い大きいやつが下、変形し
やすいヨギボーが上)。
ちょうどいい高さにして、そこで本を開く。閉じる。
ひとつずつクッションをのけて、自分の部屋に戻って違う本も取る。
またクッションを重ねて、そっちを読む。
静かな夜。
だんだん人の気配が消えて「ついにひとり取り残されたか」と少し嬉しくなって、いつものように違う世界へ行く。
宇佐美華 USAMI HANA マネージャー