本を読む場所

第九回 キクチジュンヤ

7:45- 出勤

職場着。お湯を沸かしてコーヒーを淹れる。
8:00- 着席

コーヒーを飲みながら、自分のデスクで読書。
僕の職場は、旧態的なのか伝統的なのか、仕事、休憩、食事の全てを自分のデスクで行う。
転職してきた人から、自分のデスクで食事を摂ることに、「えっ、休憩スペースないの」と言われたことがある。
外の世界は違うらしい。
思い出してみると、バイト時代も、前職でも、休憩スペースがあった。
朝の始業時間前は静かなので、読書に集中できる。捗る。

12:00- 昼休み
一区切りつくところまで仕事を片付け、コンビニに昼食を買いに行く。
自分のデスクで昼食。
早食い防止のため、箸を左手に持ち(右利き)、右手側に本を置き、読書。
利き手ではない箸使いには慣れたものの、まだうまく力が入らず、食事に時間がかかる。
その分、本を読む速度も遅くなる。
昼は、上司がテレビニュースを見るため、若干うるさい。
朝に比べて、ノイズが多いので、読書はあまり捗らない。

19:30- 帰路
駅の階段を一段飛ばしで駆け上がる。
列に並び、バックパックを体の前に掛けて、本を取り出す。

please stand behind the yellow line.
地下鉄車両が左から入ってきて、遅れて強い風が走っていく。
ホームドアの安心感。全駅に設置されてほしい。
車両のドアが開く。
降車する人を待ち、電車に乗り込み、ドア脇の人が一人収まるスペースに立つ。
既に埋まっているときは、適当に人が少なめの場所を見つけて収まる。
場所を確保したところで、読書再開。
周りではスマートフォンを見ている人が多い。
ゲームや動画率が高い。読書の人は少ない。
発車サイン音が流れる。

次々と乗り込んでくる帰宅リーマンたちに押し込まれながらも、不思議と電車の中は読書に集中できる。

電車が駅に停車するたび、車内の人が増え、扉が閉まる間際でも駆け込んでくる人がいる。
駆け込んできた人が、グイグイとポジションを取ってくる。
押し込まれて、本が顔にグッと近づく。 
駆け込み乗車はおやめください。


キクチジュンヤ 会社員