Behind The Scenes『大人になること』: お待たせしました(12年!)。 
長谷部千彩

 ロンとレオはシャンプー&トリミングへ。終わる頃に電話が来ることになっているので、束の間の自由時間。オフィスに行き、入荷した単行本『大人になること』に黙々とサインする。メモランダムショップ(ウェブマガジンmemorandomが運営するオンラインショップ)で購入された方には、お名前とサインを入れるサービスが用意されているのだ。

 中には注文フォームの備考欄に私へのメッセージを書いてくださる方もいて、サインしている私の横でスタッフが読み聞かせてくれる。温かい言葉ばかり。「ありがとうございます!」と書き添えたくなるのをぐっと堪える。

 私の読者には、10年、20年どころか、30年読み続けているという強者もいて、そうなるともはや人生の伴走者だ。お互いの。
 そんな方々に新刊を届けられるのは無上の喜び。改めて、本当にお待たせしました。大作家でもないくせに、こんなに時間をかけるなんてね(前著から12年!)。その代わり、10年かけないと作れない本を作りました。10年以上空いたことに意味がある、という本。
 さらに言うと、『大人になること』は『有閑マドモワゼル』と対をなしている部分があるので、『有閑マドモワゼル』から読んでいる方は、あの子がこんな大人に⋯⋯!と感じ入ることも多いと思います。それは30年という時間を経たからこそのものですよね。

 まずは待ち続けてくださったみなさんに感謝。そして完成を信じてこんなにも長い間つきあってくれた編集者Sさんにも感謝です!


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『大人になること/長谷部千彩』
2026年7月14日発売 亜紀晝房

いまからでも叶えられる夢って何だろう?
大人になるために、もう一歩大人になるために、
50代の私はその断片(ピース)を探し続けた。
コロナ禍、義母との別れ、仔犬との出会い……
揺れながら迷いながら、80のエッセイで紡ぐ10年の物語。