東京・消失・映画館 第五回辻本マリコ

東京は広く、街と街の間に時差がある。六本木、土曜日の朝。街は起動する気配もなかった。 誰ともすれ違うことのない、人の気配のない朝の六本木は、夢の中で歩いた架空の街角みたい。夜になればきっと賑わうのだろう、表からは何の店か …