第二十四回 答えのないこと

答えのないこと
第二十四回 階段のすべてが見えなくてもいい

学生時代に運転免許を取ったまま、
およそ20年ほど
ペーパードライバーだったけれど
先月くらいから運転し始めた。

車を所有することにさほど興味はないが、
単に「子育てには車が便利」ということと
「いずれ私が運転できなくなる時に備えて、
今から運転できるようになって欲しい」
という母からの願いがあったからだ。

しかし、意外なことに、
いざ車生活を始めてみると
運転すること自体が楽しくなり、
日々のリラックスタイムが
思いもよらない形で得られるようになった。

私の世界は変わった。

都内では駐車場に停めるため、
自然と立ち寄る店やエリアが変わった。
仕事で会う方々や友人たちを乗せ、
今までにはない会話の空間が生まれた。

一歩踏み出してみると、
その先の景色は、それ以前には
想像もしていなかったような景色が
広がっているものなのかもしれない。

そう腹落ちできた、
小さくて、大きな変化。
背中を押してくれたきっかけに
今は感謝しかない。