第二回 答えのないこと

答えのないこと
第二回 エイジング

ずいぶん昔の話。
ある朝、鏡越しの自分の頭に
一本の白髪を見つけた。
嬉しいというのとは違うけれど、
ホッとした。安堵した。
両親だけではない、
私も着実に老いているという現実に。

暫くして娘ができた。
初めて長生きしたいと思った。

老いる。
誰も抗えない時の流れに
いつか悲しむ日がくるのかもしれない。