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越智康貴

“花の役割”

違いがわかることって、大事でしょうか?
花瓶に飾られた、たくさんの白いあじさいを見て
「貧乏くさいからバラに変えてもらうんです」と言った人がいました。

活けられた花を見て、その活けた人の価値観が投影されすぎていたりすることや、着想や手垢など、人媒体のものに貧乏くささを感じても、花そのものに線を引くような感じには違和感がありました。季節感などとはまた別の話なのです。

花に貧富はあるのでしょうか。

飾り気に対して、ゴージャスという感想を抱くことは私はほぼありません。
女性の後ろ姿とか、そういったものにゴージャスだと感じることがあります。

価値観ってなんでしょう。
好きな色ひとつとっても、本当に人それぞれですが、花から必要以上に役割を見出そうとするのが、とても嫌いです。演出的過ぎるものも今の気分には合わない。
ただ美しいと思うだけでいい、そしてその美しいという感想は、あくまでも自分の頭の中だけにあると思うのです。

印象というものは、あくまでも自分の経験からくるものだと思うのです。




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