――これはかけら。季節のかけら。東京のかけら。私のかけら。
9月×日 ミーティング
今日は、ベランダの朝顔に桃色の花が13個もついた。こぼれ種から芽を出したというのに、朝顔は本当に頑健。午後、memorandomのミーティングへ。チーズトーストを食べながら、新連載のデザイン作業。合間にJアラートの話題も少し。Iさん、「一昨日でしたっけ？」と言っていたけれど、ミサイルが飛んだのは昨日。騒ぎの記憶すら、あやふやになっていて（私もあやふや）、そういうところもなんだかSFっぽい。悪い夢を見ているような日常。
夕方から雨が降る。台風が近づいているらしい。
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9月×日 地獄の黙示録
昨日の夜はＤＶＤで『地獄の黙示録 特別完全版』を観た。そういえば、ベトナム戦争の映画って、あまり観ていないなあ、と思ったので。3時間半なんて飽きるかな、と心配したけれど、主人公の旅がどんどん進んでいくので、緊張感が途切れることなく、一気に最後まで観ることができた。コッポラの映画ってやはりよくできている。一方で、ナパーム弾で森を焼き払うシーンとか、こんなに美しく撮っちゃっていいのかなあ、とも思ったけれど。それと、川の奥に暮らすフランス人入植者との会話のシーンは、話の展開が早くて難しかった（私の歴史知識不足）。ともあれ、名作は名作。観て良かった。もう一回観たいかと訊かれたら迷うけど（結構消耗する映画だから） 今日は、台風が来ているので、一日、部屋で読書。読んでいた本が、家庭料理に関する石井好子さんのエッセイだったので、途中、お腹がすいてきて、何度もキッチンに立ち、スープや軽食を作って食べた。朝顔は23個も咲いた。
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9月×日 台風一過
台風一過。晴天なり。最高気温33度。いつになったら、涼しくなってくれるのか。今日も私は部屋で読書。昨日の続き、石井好子さんのエッセイ。
お腹がすいてくると、昨日作ったスープを温め直して食べている。
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8月×日 Quick Japan
カフェでランチをとった後、事務所へ。郵便物の受け取りなど。事務所に届いていた『Quick Japan』ECD特集を読む。＊ ＊ ＊
9月×日 スタア
昨日の夜は、DVDで映画『好色一代男』を鑑賞。増村保造監督、市川雷蔵主演。井原西鶴の原作をどのように脚色しているか知りたくて観たのだけれど、映画版はだいぶライトになっていた（世之介の助平度が低い）。描いているのも、世之介が勘当される少し前から、勘当を解かれた少しあとまで。原作では幼少時代からおじいちゃんになるまでを描いているから、大きな違いだ。世之介が船に乗って女人だけの島を目指すラストは原作も映画版も変わらないけど、映画版では、若い雷蔵が演じているので、女を喜ばせるために一生を捧げた男、という感じは出ていなかった（原作はおじいちゃんになってから旅立つ）。でも、久しぶりに雷蔵を観て、目の保養にはなったかな。やっぱり雷蔵はスタアですね。＊ ＊ ＊
9月×日 ベランダ作業
雨も止み、過ごしやすい天気だったので、久しぶりにベランダに出て、使わない土を少しまとめた。ある程度の量が整理できたら、業者に頼んで回収してもらう予定（東京23区は、土の処分にもお金がかかる）。本に引き続き、園芸の規模も縮小しようと思っている。そういえば。夏に強めに剪定したクレマチス、枯れたと思ったら、新しい葉っぱがあちこちからヒュンヒュン伸びている。モンタナ系は、二回挑戦して二回とも失敗しているけれど、この鉢（テッセン/フロリダ系）に関しては、我が家に来て既に4年越え、いまだ丈夫に育っている。愛おしい。
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9月×日 そんな日もある
今日はなんとなく寂しかった。こういう日にこそジムに行って体を動かせばいいのに、それもサボってしまった。本の整理は少ししたけれど、それもさほど捗らず。ぱっとしない一日。
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9月×日 プレゼント
カフェでランチをとった後、10日ぶりにジムへ行き、汗を流す。帰宅後、ジェームス・テイラーを聴きながら、（私のネットショップで売っている）古書の発送準備。商品の追加作業も。今日はパリで買った本をいくつかサイトにアップしたので、フランスで暮らしていたときのことを思い出したり、また、そのときに買った本がどんなひとの手に渡るんだろう、と想像したりして楽しんだ。ちなみに、今日発送した分には、去年、SPBSでmemorandomのショップをやったときに配布したフリーペーパーも同梱している（少し手元に残っていたので）。ささやかなプレゼント、喜んでもらえるといいのだけれど。
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9月×日 銀木犀
昨日、ジムに行く途中、金木犀の匂いを嗅ぎ、嬉しく思っていたら、今日はベランダで銀木犀の白い花が咲いていた。私の勝手な思い込みだけど、金木犀や銀木犀が咲くと、秋到来、という感じがする。そして今日も夕焼けが綺麗だった。気持ちのいい風も吹いている。春の夕焼け、秋の夕焼け、いい季節だな、と思うのは、そんな空を見上げた時。 夜、公開されたばかりの『ブレードランナー ブラックアウト 2022』をYoutubeで観る。＊ ＊ ＊
9月×日 銀座
Iさん、Sさん、Kさんと、Cホテルラウンジでお茶。帰りに銀座に出て、鰻を食べる。折角なので食後、少し散歩をする。最近の銀座、歩いていると香港みたいだなあ、と思う。外国語が飛び交っていて、高級ブランドのブティックがずらりと並んでいて。雰囲気の変わってしまった銀座に対して寂しさを感じないわけではないけれど、これはこれでいいのかな、とも思う。時代の流れかなあ、と。
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9月×日 午後のニュース
カフェでランチをとった後、ジムへ。ウォーキングマシンについているテレビモニターでは、衆院解散のニュースと、希望の党と民進党合流（民進党解党？）のニュースが。 夜、山口文憲著『香港 旅の雑学ノート』を読む。＊ ＊ ＊
9月×日 今宵、半月
九月は、本を読んだり、映画を観たりしながら、のんびり過ごした。遠出もしなかったし、ひとにもそれほど会わなかった。でも、嬉しいことはふたつ、みっつあった。ひとに誇るようなことではないけれど、私は十分幸せだった。九月の間に秋は来た。今年も銀木犀の花がベランダで咲き始めている。今宵、半月。虫の鳴く声がする。＊ ＊ ＊
9月×日 冬の計画
午後、久しぶりに園芸店へ行く。秋の花が少し出ていた。りんどうとコスモス。冬の花、シクラメン、パンジー、スミレも。私の目的、ヒヤシンスの球根はまだ売っていなかった。クロッカスも。チューリップの球根は並んでいた。サフランも。今年、チューリップを育てるかどうかは、まだ決めていない。育てるとすれば、そろそろ準備を始めなければならないけれど（チューリップは植える前に一か月ほど冷蔵庫で球根を冷やすので）。手ぶらで帰るのもつまらないので、スイートピーの種を一袋買った。スイートピー、うまく育つときと育たないときがあるけれど、何となく毎年種を蒔いている。スイートピーは赤い色のものが好き。スイートピーの香りが好き。花の香りは、スイートピーとフリージア、銀木犀が好き。